ノンシュガーチョコレート「ゼロ」の値上げ情報
メーカー | 株式会社ロッテ |
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商品名 | ZERO(ゼロ) |
内容量 | 50g(5本入) |
参考小売価格 | 260円(税別) |
原材料 | カカオマス、マルチトール、乳等を主要原料とする食品(食物繊維、バター、分離乳たんぱく)、植物油脂、ラクチトール、ココアバター、ミルクペースト、食塩、カカオエキス、大豆胚芽エキス/乳化剤、香料、甘味料(アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物、スクラロース)、ビタミンP |
栄養成分 1本(10g) |
エネルギー 48kcal たんぱく質 0.8g 脂質 4.0g 炭水化物 5.0g 食塩相当量 0.012g |
発売日 | 1996年2月 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税別) |
2000年時点 | 56g | 200円 |
2001年9月~ | 46g | 150円 |
2007年5月~ | 50g | 189円 |
2015年9月~ | 50g | 220円 |
2022年9月~ | 50g | 230円 |
2023年9月~ | 50g | 240円 |
2024年8月~ | 50g | 260円 |
2024年11月~ | 50g | 3.7~38.4% 値上げ |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
56g→46g 200円→150円 |
隠し味にナッツペーストを入れ自然なコクとおいしさをだした。 |
46g→50g 150円→189円 |
脱乳糖粉乳使用量を増やしマイルドな美味しさに仕上げた。 |
189円→220円 | 独自技術の新製法でチョコレートのコクと味の厚みを引き出すことに成功。 |
2022年9月 220円→230円 |
原材料や包装資材の価格、物流コストの上昇が続いており、企業努力によるコスト上昇の吸収が困難な状況になったため、やむを得ず価格改定並びに内容量変更を実施。 |
2023年9月 230円→240円 |
原材料や包装資材の価格、物流コストの上昇が続いており、品質を維持しながら合理化・効率化によるコストアップ吸収が一層困難な状況になったため価格改定を実施。 |
2024年8月 240円→260円 |
食品市場を取り巻く環境において、物流費の上昇、原材料・包装資材の価格高騰により製造コストの上昇が続いており、これ以上の企業努力によるコストアップ吸収が困難な状況に。 |
2024年11月 3.7~38.4%値上げ |
食品市場を取り巻く環境において、物流費や光熱費、原材料・包装資材の価格が依然として高く推移しており、これ以上の企業努力によるコストアップ吸収が困難な状況に。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 株式会社ロッテ |
2000年 56g 200円 | ロッテ 商品紹介 |
2001年 46g 150円 | 日本食糧新聞 |
2007年 50g 189円 | ロッテ ニュースリリース |
2015年 220円に値上げ | 日本食糧新聞 |
2022年 230円に値上げ | ロッテ ニュースリリース |
2023年 240円に値上げ | ロッテ ニュースリリース |
2024年8月 260円に値上げ | ロッテ ニュースリリース |
2024年11月 3.7~38.4%値上げ | ロッテ ニュースリリース |
ノンシュガーチョコレート「ゼロ」の値上げ解説
砂糖ゼロ、糖類ゼロが謳い文句の画期的なチョコレート、ロッテ「ゼロ」。ダイエット中の人や健康志向の人にとっては魅力的な商品なのかもしれません。
砂糖や糖類を使用せず美味しいチョコレートに仕上げるためロッテの独自技術が使われているとあって、他のチョコレートに比べ価格はお高め。発売当初内容量56gに対し価格は税抜200円だからね。
当時のガーナが50g100円だったため単純に2倍近い価格ということに。
そんなちょっとお高めのゼロ、2001年になって内容量を46g(4本入)へと減らす一方で価格を税抜150円に値下げしました。内容量の減少率より値下げ率の方が大きいため実質値下げといえるでしょう。
というのもこの時期、カカオ豆が歴史的低価格だったこともあり、ロッテに限らず多くの菓子メーカーでチョコレート菓子の実質値下げを敢行。同時期のロッテガーナも50g100円から一気に75g100円へと実質値下げされている。
しかし2007年になるとカカオ豆の高騰などを理由に値上げした他のチョコレート菓子同様ゼロも値上げに踏み切ります。従来の内容慮46gから50gへと4g増やしたものの、価格は税抜150円から一気に189円(税込198円)へ。
また、同じく多くのチョコレート菓子が値上げされた2015年にもゼロは同調の動きを見せ、税抜220円へと値上げされています。
ちなみに、ここでは189円から一気に220円に値上げされたような記載になっているが、オープン価格によりロッテが積極的に参考小売価格を提示していなかったためにそう見えるだけ。
実際は商品卸売価格や内内での想定価格など、見えない部分での値上げはあったと考えるべき。
また、2022年に原材料価格の高騰などを理由に230円に値上げし、1年後の2023年9月に240円、さらに1年後の2024年8月には260円ですよ。
2000年頃に56g200円だった商品が現在50g260円…「ノンシュガー」という付加価値により元からかなり強気の価格設定だったのが、さらに高くなった感じ。決して安くない大手の板チョコの約2倍の価格だからね。
にしてもこの商品、消費者を馬鹿にしたようなエセ健康志向菓子の典型だな。なんだ「砂糖ゼロ・糖類ゼロ」って。
確かに糖類…単糖類や二糖類の砂糖やブドウ糖、乳糖といったものは使われていない。だからといって糖質がゼロか…というと決してそんなことはない。1本10gあたり3.9gも糖質が含まれている。カロリーは10gで48kcalだ。
例えばオーソドックスな明治のミルクチョコに加え、明治のチョコレート効果CACAO72%や森永製菓のカレ・ド・ショコラCacao70と比べてみよう。すべてゼロと同じ1本10gあたりに換算して表記しています。
商品名 | 糖質量 | カロリー | 1gあたりの単価 |
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ゼロ | 4.0g | 48kcal | 5.2円 |
明治ミルクチョコ | 5.18g | 56kcal | 2.8円 |
チョコレート効果72% (75g) |
3.2g | 56kcal | 3.53円 |
カレ・ド・ショコラ70 | 3.74g | 58kcal | 4.19円 |
このようにロッテのゼロは糖類こそ使用していないものの糖質量は決して少なくない。カロリーに関しても他の主要なチョコレートに対し10gあたり10kcal弱少ない程度。にもかかわらず価格は明らかに高いし味も決して褒められたものでない。
それもそのはず、「砂糖と比べると違和感がある」と言われる人工甘味料や、何となく不信感が拭えない「乳等を主要原料とする食品」を使用しているのですから。普通のチョコレートに比べ原材料が多すぎるのだ。
なんというか…砂糖などの糖類を使わずにチョコレート“っぽい”ものに仕上げるため、色々と加えてこねくり回している印象。その複雑怪奇な味はチョコレート好きからすると違和感が先立つ。
そもそもチョコレートの原料であるカカオというのはカカオバターなど油分も多いためかなりの高カロリー。仮に砂糖を使わなくてもそれなりのカロリーになってしまう。どうあってもチョコレートはダイエットの敵なのです。
それでもロッテのゼロが「糖質ゼロ」であるなら糖質制限ダイエットなどに活用できるかもしれないが、砂糖や乳糖などの糖類を使用していないだけで糖質はチョコレート効果やカレ・ド・ショコラより多い始末。
それでいてチョコレート効果70%はおろか、上質な味わいと高めの価格設定が特徴的なカレ・ド・ショコラよりコストパフォーマンスが低いときている。ハッキリ言ってしまえばゼロの存在価値が分からない。
“砂糖ゼロ・糖類ゼロ”という言葉から、健康的かつダイエットに役立ちそうな印象を消費者に抱かせる手法なのだろう。もちろん完全なるミスリードだけどな。
まあ、「金に糸目は付けず1箱あたり40~50kcal程度でも摂取カロリーを減らしたい」というのであればゼロ購入を止めはしないが…
あえてゼロの良いところを挙げるとするならば、GI値が高い砂糖やブドウ糖などを使用していないことで血糖値の上昇を緩やかにできる…かもしれない点か。
とはいえカカオにはそれなりに食物繊維が含まれるため、チョコレート効果など高カカオチョコレートはゼロと同程度の食物繊維を含み、そもそものGI値はそれほど高くない。というかかなり低め。
私自身摂取カロリーはかなり気にしている一方、添加物や人工甘味料には特段悪い印象はない。こういったものに過剰反応する人はある種何かに取り憑かれているんだろうなと感じるくらいですからね。
ただ、ロッテのゼロは健康的っぽい、ダイエットに役立ちそうなイメージを与えつつ、その実カロリーも糖質も低くはなく、また一般的にあまり良い印象を持たれていない人工甘味料をガッツリ使っている。ハッキリ言って方向性が見えない。
なんなの、この中途半端な商品。値上げや内容量減うんぬん以前の問題として、消費者を舐めきっている印象。それでもこの商品を積極的に購入する人が一定数いるんだよね。「なんとなく良さそう」っていう理由で。
無知って恐ろしいな。