ホームパイのステルス値上げ情報

ホームパイのステルス値上げ情報
メーカー 株式会社不二家
商品名 ホームパイ
内容量 10g×19包(38枚)
参考小売価格 550円(税別)
原材料 小麦粉、植物油脂、砂糖、バター、発酵種(小麦を含む)、全粉乳、食塩、脱脂粉乳、たんぱく質濃縮ホエイパウダー(乳成分を含む)、乳等を主原料とする食品、水あめ/乳化剤(小麦・大豆由来)、香料(乳由来)、カロテノイド色素
栄養成分
2枚(10g)
エネルギー 55kcal
たんぱく質 0.7g
脂質 3.1g
炭水化物 6.1g
食塩相当量 0.024g
発売日 1968年(大袋は1981年)

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
1981年~ 58枚 不明
2001年3月時点 58枚 500円
2002年~ 13g×26包(52枚) 500円
2005年8月~ 12.6g×26包(52枚) 500円
2007年頃~ 12.6g×24包(48枚) 500円
2008年7月~ 12.4g×21包(42枚) 500円
2011年7月~ 11.6g×20包(40枚) 500円
2014年3月~ 11.6g×19包(38枚) 500円
2014年9月~ 9.6g×19包(38枚) 500円
2016年4月~ 10g×20包(40枚) 500円
2022年7月~ 10g×19包(38枚) 500円
2023年3月~ 10g×19包(38枚) 550円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
58枚→52枚 よりきめ細かな層になって、さらにサックリ食感。パイ1枚あたりのサイズが大きくなり、食べごたえが向上。
13g→12.6g バターを3%から5%に増量し風味を向上。焼成条件を工夫し食感・口どけを改良、バターの風味がいっそう引き立つように。
52枚→48枚 よりあっさりとした後味に仕立て、毎日食べても飽きの来ない品質で新登場。
12.6g→12.4g
48枚→42枚
リニューアルで内容量変更。
12.4g→11.6g
42枚→40枚
生地を約700層にまで丁寧に折り重ねることで生まれるサクサク食感が人気。さらに食感が軽くなり、香ばしさがアップ。
40枚→38枚 食感と香りがさらにお楽しみいただけます。
11.6g→9.6g なし
9.6g→10g
38枚→40枚
自家製の発酵種を使い、より食感の良いバターが香るサクッサクッの品質に仕上げた。従来商品より1枚のサイズを大きくし、美味しさと食べごたえアップ。
40枚→38枚 世界的な原材料価格の高騰や物流費の上昇に加え、原油価格高騰による包装資材価格の上昇が続き、コスト吸収が企業努力で対応できる範囲を超える状況になったため。
500円→550円 世界的な原材料価格の高騰や物流費の上昇に加え、原油価格高騰による包装資材価格の上昇が続き、コスト吸収が企業努力で対応できる範囲を超える状況になったため。

参考サイト
公式サイト 株式会社不二家
2001年 58枚 不二家 おかしカタログ
2002年 13g×26包(52枚) 不二家 おかしカタログ
2005年 1包12.6gに実質値上げ 不二家 商品情報
2007年 48枚に実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2008年 12.4g×21包(42枚) 不二家 商品のご紹介
2011年 11.6g×20包(40枚) 不二家 商品のご紹介
2014年 38枚に実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2014年 1包9.6gに実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2016年 10g×20包(40枚) 不二家 商品のご紹介
2022年 38枚に実質値上げ 不二家 ニュースリリース
2023年 550円に値上げ 不二家 ニュースリリース

ホームパイの値上げ解説

不二家のお菓子において「少なくなった」「小さくなった」と叩かれがちなのは「カントリーマアム」ですが、実はもっとえげつない値上げを行っている商品があります。そう、皆さんご存知の「ホームパイ」です。

元々は箱入りで発売されたホームパイ。しかし1981年に大袋(ファミリーサイズ)が登場してからは、徐々にこちらが売れ筋となり、現在「ホームパイ」といえば大袋のものを思い浮かべる人が大半でしょう。

ちなみに1981年の大袋発売時の枚数は58枚。

1981年のホームパイ 大袋発売時は58枚

当時、現在のように2枚1包となっていたのか、また1枚あたりの重量までは確認できないものの、58枚という枚数は2002年まで踏襲されてきた模様。実際2001年時点までは58枚入となっていました。

2001年までホームパイは58枚入だった

しかしここから激動のステルス値上げ史が始まりますよ。

2002年になると従来の58枚(29包)から52枚(2包)に減量します。ただ、このリニューアルでは「パイ1枚あたりのサイズが大きくなった」との記載があり、かつ58枚時の重量が不明であることから、ステルス値上げと断定はできない。

2005年にはバターを従来の3%から5%に増やすという“エサ”をぶらさげ、1包(2枚)の重量を13gから12.6gに減らします。そして2007年には1包の重量そのままに48枚(24包)へと実質値上げ。

翌2008年には1包を12.4gに減らしたうえに、枚数を48枚から一気に42枚(21包)へ。2007年に消費期限切れの原料を使用するという不祥事が発覚したにもかかわらず平然とステルス値上げするあたり、不二家の企業姿勢が見てとれる。

2011年には1包を11.6gにまで減らし、かつ枚数は40枚(20包)に。しかしここで止まらないのが不二家の不二家たる所以。

2014年3月のリニューアルで38枚(19包)に実質値上げしたと思ったら、同年9月には17%減となる1包9.6gへ。

詳細な内容量を確認できる2002年時点で13g×26包の計338gだったホームパイは、2014年時点で9.6g×19包の計182gまで減ったわけだ。数字にして46%減とほぼ半減ですよ。

カントリーマアムが小さく、かつ少なくなった? ホームパイのえげつないステルス値上げに比べりゃ可愛いもんだ。

口コミやレビューなど各方面から「小さくなった」「スカスカ」という声が多く寄せられていることもあり、不二家もさすがに「まずい…」と感じたのか、2016年4月のリニューアルでは1包あたり10gに増やし、かつ枚数も40枚に。

ただ、このリニューアルの約7ヶ月前となる2015年8月25日から、38枚に2枚増量して計40枚とするキャンペーンを行っていたんですよね。

ホームパイ、2枚増量で計40枚

不二家に限らずステルス値上げをした後に、期間限定で増量キャンペーンを行う手法ってそれなりに目にします。こっそり量を減らしておいて、増量でお得感を演出する…こういうことをする企業は本当に消費者を舐めきっているな。

40枚にして消費者の反応をうかがい、2016年4月のリニューアルで大々的に「増やしました!」と発表。内容量を減らす時はほぼ“だんまり”なのに、たった1包0.4g、2枚の増量程度でドヤ顔をする不二家…なんだこいつ?

その後しばらくはこの容量を維持するも、2022年7月に原材料価格の高騰などを理由に再び19包(38枚)にステルス値上げ。翌2023年3月にはそれまでの税別500円から550円へと値上げしています。

笑っちゃうのは値上げ理由の文言。

不二家は2022年7月と2023年3月に値上げや実質値上げを行い、それに対するニュースリリースも発表してるわけですが…

不二家の値上げニュースリリースは使いまわし

日付と対象商品数、改定率以外100%な使いまわし。(クリックで大きくなります)

各企業ごとに値上げ発表時の文言は似たり寄ったりになるもの。大体は原材料価格や原油価格、人件費などの上昇を理由に値上げするわけですしね。値上げの時期が近いならなおさらでしょう。

とはいえ半年以上間隔が開けば相場の状況も多少は変わっていますし、何より企業としては「値上げの発表すら手抜きする」という印象を与えたくないでしょうから、通常であれば若干でも内容や文言を変えるものです。

でも不二家は完全に使いまわし。こういうところに企業姿勢が出るよね。

ま、それはそれとして実際に食べれば美味しいホームパイ。でも、再三の値上げにより計190gになってしまった内容量に対し、実売価格198~298円くらいというのはコストパフォーマンスが悪い。

このように感じる私のような貧乏性には三立製菓の源氏パイも視野に入れたい。

ホームパイと源氏パイ

ちょっと比較しちゃうよ。

ホームパイ お徳用 源氏パイ
カロリー 55kcal(10g中) 110kcal(20g中)
たんぱく質 0.7g(10g中) 1.2g(20g中)
脂質 3.1g(10g中) 6.8g(21g中)
炭水化物 6.1g(10g中) 11.8g(20g中)
食塩相当量 0.024g(10g中) 0.27g(20g中)
内容量 19包 計190g 12包 計240g
実売価格(税別) 198~298円 248~348円

コスパ的には大して変わらんか…

以前のお徳用 源氏パイはホームパイの1.5倍くらいの内容量だったんだけど、三立製菓によるステルス値上げでずいぶんと減ってしまった。残念だわ。ただ、特売時などはホームパイと同じくらいの価格になることもあるため、その際は迷わず源氏パイを手に取りたい。

それにしてもホームパイのこのステルス値上げの連発による割高感…「不二家」のブランドがなせる業か。可愛いペコちゃんの笑顔の裏で消費期限切れの原料を使ったり、異物が混入したり、カビケーキを販売したりする企業なんだけどな。

不二家の洋菓子店に対しては近年復活著しいシャトレーゼがあるし、人気のお菓子に対してもトップバリュや前述源氏パイなど、もっとお得な代替品はいくらでも存在する。

不祥事体質に値上げ体質…消費者を蔑ろにするその企業姿勢、これからも頑張って維持しつづけるといい。

あわせて読みたい関連記事

カテゴリ一覧