カントリーマアム 大袋の実質値上げ情報

カントリーマアム 大袋の実質値上げ情報
メーカー 株式会社不二家
商品名 カントリーマアム バニラ&ココア
内容量 10g×18枚
参考小売価格 500円(税別)
原材料
(バニラ)
小麦粉、砂糖、植物油脂、チョコレートチップ(乳成分を含む)、還元水あめ、卵、白ねりあん(乳成分を含む)、全脂大豆粉、水あめ、脱脂粉乳、食塩、卵黄(卵を含む)、全粉乳、乳等を主原料とする食品、バニラビーンズ/加工デンプン、乳化剤(乳・小麦・大豆由来)、香料(乳・大豆由来)、安定剤(加工デンプン、キサンタン)、カラメル色素、膨脹剤
栄養成分
1枚(10g)
エネルギー 48kcal
たんぱく質 0.5g
脂質 2.3g
炭水化物 6.3g
食塩相当量 0.044g
発売日 1992年

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
1992年~ 11.5g×28枚 500円
1996年7月~ 10.5g×28枚 500円
2002年10月時点 10g×30枚 500円
2007年1月~ 10.5g×28枚 500円
2008年7月~ 10.5g×24枚 500円
2011年7月~ 10.5g×22枚 500円
2014年3月~ 10.5g×20枚 500円
2014年7月~ 10g×20枚 500円
2022年7月~ 10g×19枚 500円
2023年3月~ 10g×19枚 550円
2024年4月~ 10g×18枚 550円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
11.5g→10.5g 不明
10.5g→10g 不明
10g→10.5g リニューアル
30枚→28枚 なし
28枚→24枚 世界的な食料需要の拡大、乳製品の高騰に加え原油価格の高騰による包装資材の価格上昇が続き、企業努力で対応できる範囲を超えたため。
24枚→22枚 なし
22枚→20枚 なし
10.5g→10g なし
20枚→19枚 世界的な原材料価格の高騰や物流費の上昇に加え、原油価格高騰による包装資材価格の上昇が続き、コスト吸収が企業努力で対応できる範囲を超える状況になったため。
500円→550円 世界的な原材料価格の高騰や物流費の上昇に加え、原油価格高騰による包装資材価格の上昇が続き、コスト吸収が企業努力で対応できる範囲を超える状況になったため。
19枚→18枚 世界的な原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇が続いている中でコスト吸収に努めてきたが、企業努力で対応できる範囲を超える状況になり、やむを得ず価格改定及び内容量変更。

参考サイト
公式サイト 株式会社不二家
カントリーマアム内容量推移の記事 Yahoo!ニュース
2002年10月 10g×30枚 不二家 おかしカタログ
2002年11月 10.5gに実質値下げ 不二家 おかしカタログ
2007年 28枚に実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2008年 24枚に実質値上げ 不二家 ニュース
2011年 22枚に実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2014年 20枚に実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2014年 1枚10gに実質値上げ 不二家 商品のご紹介
2022年 19枚に実質値上げ 不二家 ニュースリリース
2023年 550円に値上げ 不二家 ニュースリリース
2024年 18枚に実質値上げ 不二家 ニュースリリース

カントリーマアム 大袋の値上げ解説

さあやってまいりました、ネット上などで実質値上げが叩かれまくっているカントリーマアムの大袋版といえる「カントリーマアム バニラ&ココア」の値上げやステルス値上げについて取り上げていきますよ。

値上げ情報に加え、ネット上に溢れているカントリーマアムの値上げに関する間違いや悪意ある投稿についても是正していきたいと思いますので、かなり長くなります。興味ない方はスルーを。

カントリーマアム自体が発売されたのは1984年ながら、大袋(バニラ&ココア)が登場したのは1992年のこと。発売当時は28枚入り、1枚あたりの重量は11.5gだったらしい。

私が調べられる限りでは、2002年10月時点でカントリーマアム バニラ&ココアは10g×30枚。その直後である2002年11月のリニューアルでは枚数を30枚で据え置いたまま1枚あたり10.5gへと増量する実質値下げを実施。

1枚あたりの重量に関しては2014年まで10.5gを維持する一方、枚数は凄まじい勢いで減らされていく。2007年頃に28枚に減らされたかと思うと、翌2008年には乳製品や原油価格の高騰などを理由に一気に24枚へとステルス値上げ。

2011年には22枚になり、2014年3月のリニューアルでとうとう20枚に。しかも同年の後半には1枚あたり10gに減らすという鬼畜対応。さらに2022年には1枚減って19枚、2024年にも1枚減らし現在は18枚入りになっています。

2002年時点で計315gだった内容量は20年で計180gへ。どんだけ減らせば気が済むんだよ、不二家め。

一方、価格についてはやや不明瞭。

確認できる2002年時点から現在に至るまでカントリーマアム バニラ&ココアは「NPP(ノンプリントプライス)」という形を取っており、希望小売価格や参考小売価格というものは存在しません。

ただ、2000年初頭に16枚入りのカントリーマアムが300円だったこと、多くのお菓子のファミリーパックが希望小売価格500円であること、複数の通販サイトでバニラ&ココアの参考小売価格が「500円」と記載されている点を鑑み、当サイトではカントリーマアムのバニラ&ココアの参考小売価格は500円相当だったと判断しています。

実勢価格は198~298円くらいだけどな。

長年にわたり枚数を徹底的に減らす一方、価格に関しては変更してこなかったカントリーマアムの大袋。しかし2023年3月に不二家は菓子28品目において6~14%の値上げを行ったため、参考小売価格は550円ほどとしています。

とはいえ、かつて通常のカントリーマアム(16枚・330円)の2倍近い枚数を誇った大袋も現在は2枚多いだけという状況であり、ステルス値上げをする中で出荷価格を下げた可能性も捨てきれない。

参考小売価格が300円台と表示しているサイトも複数確認できることから、2023年3月以前は350円、2023年3月の値上げで380円ほどになっとしたほうが現実に即しているかも。

で、ここからが本題。まずネットに溢れているカントリーマアム バニラ&ココアの値上げ情報に関して。

複数のサイトにおいてほとんどすべて同じ情報を掲載しております。これは「いつの間にか容量が減っている商品wiki」様が調べた情報をそのまま転載しているようですが、間違いが存在しますので一応訂正を。

同サイトにおいて2005年時点で1枚11gと掲載されているものの、過去の不二家公式サイトやその他の情報を見るに、2002年から2014年まで一貫して10.5gとなっています。少なくとも2002年以降11gだった時期は確認できない。

この程度の間違いは誰にでもあるので基本的にスルーしたいところ。しかし様々なサイトにおいてこれを引用し「330gから190gに減った!」と書き連ねていることから、一応指摘しておいたほうがいいのかなと。

ただ、2005年頃に期間限定でチョコチップ10%アップのキャンペーンを行っていたという情報もあり、もしかしたらこの期間に11gだった可能性があります。とはいえ、期間限定の増量はカウントするべきではないと思う。

そしてもうひとつ、カントリーマアムが小さくなったという話題でよく目にする画像に関して。元々はツイッターで流れた画像らしいのですが…

カントリーマアムの悪質なデマ写真

文面がいまいち理解できないのだが、7年前は“左”の大きさだったカントリーマアムが2015年時点で右のサイズになっているということか。これを書いた人の意図はさておき、実際、複数のサイトでこの画像はそういう趣旨の使い方をされている。

いやいや、確かにカントリーマアム バニラ&ココアの内容量は激減したよ? ただ、1枚の大きさはここ20年で0.5g…約5%しか小さくなっていない。1990年代まで持ち出しても1.5g…約13%の減少に留まる。

しかしこの画像を鵜呑みにするなら、半減レベルと勘違いするほど大きさが違う。

元の画像のサイズは分からないものの、上記画像の元となった写真に写る2つのカントリーマアムの直径を調べてみたら、左が9.5cm、右が6.4cm。もちろん原寸大じゃないよ、あくまでも元画像を私の環境下で計った場合の直径ね。

それをもとに面積を求めると、左は「4.75×4.75×3.14=70.8cm2」。一方右は「3.2×3.2×3.14=32.2cm2」。同じ厚さと仮定するなら、2015年時点のカントリーマアムは2008年頃の半分以下の大きさしかないことになる

んなはずあるかっ!!

この時期、16枚入りのカントリーマアムは2000年初頭に比べむしろ大きくなっていたし、大袋であるバニラ&ココアも2002年から10.5gで横ばいでした。

2015年8月に16枚入りのレギュラー商品「カントリーマアム 大人のチョコチップバニラ」が1枚11.6gに増量されていることから、これと6.2gの「カントリーマアム ミニ」あたりを並べたのがこの画像の真相と推測されます。

さすがにこの画像を使って「カントリーマアムは小さくなった!」というのは悪質すぎる。バニラ&ココアに関しては1枚の重量が10.5gから10gに減ったため確かに小さくはなっているが…

また、昔は製造する機械の精度がそこまで高くなったこともあり、大きさにばらつきが生まれ、その中から規定重量以上のものを入れていた結果、精度が高くなりきっちり10gのカントリーマアムを製造できるようになった現在と比べ、思いのほか大きい差が生じてしまっている可能性があるという担当者の話も。

カントリーマアムのバニラ&ココアは確かに小さくなったとはいえ、表示的には約5%減と実感できるほどのレベルではない。「大人になったから相対的にカントリーマアムが小さく感じるようになったんだよ」という意見が正しいかと。

フレーバーによって厚さも異なり、厚みがあるカントリーマアムは当然ながら直径は小さくなる。そういった点も考慮しなければならないでしょう。

だがな、30枚から段階的に18枚に減った事実は変わらない。16枚入りのカントリーマアムが20年以上にわたってほとんど変わっていない…どころか、むしろ20年前より若干増えているのに、だ。

16枚入りのカントリーマアムが10.6g×16枚の計169.6g、大袋のバニラ&ココアが10g×18枚の計180g…大して変わらないというふざけた話。

ただね、こういったファミリーパック的な大袋はどのメーカーも信じられないくらい減らしているんですよね。ロッテ「パイの実 シェアパック」なんてここ20年で290gから133gになったからね。それに比べりゃカントリーマアムはまだまし。

価格的にもカントリーマアム バニラ&ココアは特売などで198円くらいで買えるのに対し、16枚入りのカントリーマアムもさほど変わらず、せいぜい30円程度の差に。内容量的にも妥当な価格差に落ち着いている気がします。

不二家やカントリーマアムのブランドにこだわらなければ、イオンのトップバリュから「さっくりしっとり チョコチップクッキー バニラ&ココア」なるパク…類似品を買った方が幸せになれる。えげつないほどカントリーマアムだからな。

カントリーマアムの類似品チョコチップクッキー

これなら10.5g×24枚の計252gで税別238円。特売でカントリーマアム バニラ&ココアを198円で買うよりコスパに優れる。…しかしトップバリュは模倣のオンパレードだよな。厚顔無恥極まれり。

洋菓子店の値上げっぷりも相まって、私は不二家にはあまり良い印象を抱いていない。枚数減らしまくって割高になったカントリーマアムもまず買わない。でも間違った値上げ情報で不二家を叩くのは違うと思うの。

こういったことを反面教師に、私も気を引き締めねば。

あわせて読みたい関連記事

カテゴリ一覧