ハートチョコレート(ピーナッツ)の値上げ情報
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メーカー | 株式会社不二家 |
商品名 | ハートチョコレート(ピーナッツ) |
内容量 | 6.3g×15枚(94.5g) |
参考小売価格 | 360円(税別) |
原材料 | ローストピーナッツ(国内製造)、砂糖、カカオマス、全粉乳、植物油脂、ココアバター/乳化剤、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に乳成分・小麦・落花生・大豆を含む) |
栄養成分 1枚(6.3g) |
エネルギー 38kcal たんぱく質 0.9g 脂質 2.7g 炭水化物 2.6g 食塩相当量 0.005g |
発売日 | 1935年 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税別) |
2003年10月時点 | 18枚(150g) | 200円 |
2004年9月~ | 18枚(115g) | 180円 |
2006年1月~ | 8.1g×12枚 (約97g) |
180円 |
2007年~ | 8.1g×16枚 (約130g) |
250円 |
2008年9月~ | 8.0g×15枚 (約120g) |
250円 |
2011年7月頃~ | 7.5g×15枚 (約113g) |
250円 |
2014年前半~ | 6.6g×18枚 (約119g) |
300円 |
2014年後半~ | 6.6g×15枚 (約100g) |
300円 |
2015年7月頃~ | 6.6g×14枚 (約93g) |
300円 |
2017年~ | 6.6g×15枚 (約100g) |
300円 |
2022年7月~ | 6.6g×14枚 (92.4g) |
300円 |
2024年9月~ | 6.3g×15枚 (94.5g) |
360円 |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
2004年9月 150g→115g 200円→180円 |
1粒のサイズが少し小さくなり、食べやすくなった。 |
2006年1月 18枚→12枚 115g→97g |
なし |
2007年 97g→130g 180円→250円 |
なし |
2008年9月 130g→120g |
なし |
2011年7月頃 120g→113g |
なし |
2014年前半 113g→119g 250円→300円 |
なし |
2014年後半 18枚→15枚 119g→100g |
なし |
2015年7月頃 15枚→14枚 100g→93g |
なし |
2017年 14枚→15枚 93g→100g |
なし |
2022年7月 15枚→14枚 100g→92.4g |
世界的な原材料価格の高騰や物流費の上昇に加え、原油価格高騰による包装資材価格の上昇が続き、コスト吸収が企業努力で対応できる範囲を超える状況になったため。 |
2024年9月 14枚→15枚 92.4g→94.5g 300円→360円 |
チョコレートの原材料や包装資材価格の高騰に加え、輸送コストの上昇が続いており、これらの価格上昇傾向は長期化することが予想されるため、やむを得ず価格改定及び内容量変更。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 株式会社不二家 |
2003年 150g 200円 | 不二家 商品情報 |
2004年 115g 180円 | 不二家 商品情報 |
2006年 97gに実質値上げ | 不二家 商品情報 |
2007年 130g 250円 | 不二家 商品のご紹介 |
2008年 120gに実質値上げ | 不二家 商品のご紹介 |
2011年 113gに実質値上げ | 不二家 商品のご紹介 |
2014年 119g 300円 | 不二家 商品のご紹介 |
2014年 100gに実質値上げ | 不二家 商品のご紹介 |
2015年 93gに実質値上げ | 不二家 商品のご紹介 |
2017年 100gに実質値下げ | 不二家 商品のご紹介 |
2022年 92.4gに実質値上げ | 不二家 ニュースリリース |
2024年9月 94.5g 360円に値上げ | 不二家 ニュースリリース |
不二家 ハートチョコレートの値上げ解説
現存する不二家のお菓子としては最も長く販売している「ハートチョコレート」。1951年発売のミルキーよりも歴史が古く、ハートチョコレートが発売されたのは戦前の1935年というから恐れ入る。
不二家のハートチョコレートといえば、5角形の袋に1枚入った商品を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、「徳用」ともいえる大袋版(厳密には中袋)も存在。
バレンタイン時期のみ販売される1枚入に対し大袋は通年販売となっていますから、今となってはむしろこっちのほうが一般的かもしれません。
そんなハートチョコレート(ピーナッツ)の大袋、若干の迷走は見られるものの確実にステルス値上げされていった商品のひとつ。
内容量や価格がはっきりと分かる範囲では、2003年時点で18枚入計150gで税別200円というのが確認できます。ピーナッツがふんだんに使用されたチョコレートが150gで希望小売価格200円というのは今では考えられないレベルの安さ。
ちなみに150g時は箱入り、これ以前の1枚1枚がもう少し小さい時は下図のような一般的なピーナッツチョコレートのようなパッケージだった模様。
18枚入りとのことですから、単純計算で1枚あたり約8.3g。1枚入の大きなハートチョコレートが現在26gとのことなので、大容量版は一つひとつが小さいことになりますね。
しかし2004年になると、価格を税別180円に値下げしたうえで内容量を115gにまで激減させます。不二家曰く「1粒のサイズが少し小さくなり食べやすくなりました」とさ。ステルス値上げをする際のお決まりのセリフだな。
なんだよ「小さくなって食べやすくなった」って? 日本国民のほとんどは総入れ歯だとでも思っているのか? 消費者舐めるのもいい加減にしろよ菓子メーカー共。
内容量的に150gから115gになると約23%減、一方の価格は10%しか安くなっていないわけだから、典型的な実質値上げですね。枚数は18枚で据え置きであるため、この時点で1枚あたりの重量は約6.4g。
2006年には1枚あたりの重量を8.1gに増やしつつ、枚数を12枚に減らしており、内容量は単純計算で97gということに。もちろん価格は180円で据え置きですよ。にもかかわらず内容量を減らすアナウンスが一切ないのはいかにも不二家らしい。
翌2007年には枚数を16枚(約130g)に増やしたうえで、価格をこれまでの180円から250円に値上げ。内容量は約34%増、価格は約39%値上げになるため、やっぱり実質値上げ。
2007年といえば不二家の洋菓子店で賞味期限切れの原料を使用するという不祥事が発覚した時期。それでも実質値上げするあたり、「不祥事で売り上げが減った分は値上げでカバーすればいい」という考えなのかもしれませんね。
原料も企業姿勢も腐敗気味。
2008年、1枚の重量をこれまでの8.1gから8.0gに減らし、かつ枚数を15枚に。これによって内容量は130gから120gに減ります。そして2011年には枚数・価格を据え置いたまま1枚の重量を7.5gに減らしたため内容量は計113g。
しかし、2014年には1枚が6.6gへと小さくなる一方で枚数を18枚に。結果内容量は計119gとなり「実質値下げか!?」と色めきだったものの、同じタイミングで価格をNPP(ノンプリントプライス)化しているんですよね。
不二家が実質値下げするとも思えないし「なんか怪しいな~」と思っていたら、2015年頃の公式サイトのハートチョコレート(ピーナッツ)のページには、しっかりと「税別300円」の文字が。これでこそ不二家だよね。
2014年に事実上の値上げを行った不二家の勢いは止まらず、同年の後半には枚数を一気に3枚も減らすステルス値上げを実施し、内容量は一気に100gへと激減。これでこそ不二家だよね。
翌2015年にはさらに1枚減らして計93gとなるなど、袋の大きさに見合わないスカスカ感により、力の弱い女性や子供に優しい商品へ。手に持つと「うわっ軽っ!」って感じですよ、羽毛布団もびっくりですよ。
ただ、不二家もさすがに減らし過ぎたと感じたのか、2017年のリニューアルで1枚増やして15枚入に。それでも内容量はたったの100g。
そして2022年、世界的な物価高や原材料価格の高騰を背景に、再び14枚に減らすステルス値上げを実施。しかし2024年9月に再び15枚に増量しつつ、一気に20%値上げして360円に。
20%の大幅値上げとはいえ、1枚増やしたあたりに不二家の良心が見て取れる…と思ったら大間違い。従来の1枚6.6gから1枚6.3gへと減らしたのだ。
2024年9月に行われた値上げのニュースリリースでは枚数を1枚増やすことは明記されていたものの、1枚あたりの重量を減らすことは記載されていなかった。ほんとセコ過ぎて悲しくなってくるわ。
それでこそ不二家だよね。
2003年時点でハートチョコレート(ピーナッツ)は150g・200円だったため、単純計算で1gあたり1.33円。現在は94.5g・360円なので1gあたり3.81円。徹底的な経営努力で価格はほぼ3倍になりましたとさ。
“愛”や“心”を表現するハートも、消費者をないがしろにする企業にかかれば金にまみれた薄汚いものになるという好例か。