トマトプリッツの値上げ・ステルス値上げ情報

トマトプリッツの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー 江崎グリコ株式会社
商品名 トマトプリッツ
内容量 60g(30g×2袋)
参考小売価格 124円(税別)
原材料 小麦粉)、植物油脂、ショートニング、砂糖、トマトペースト、でん粉、醸造酢(トマト酢)、イースト、ベジタブルペースト、オニオンシーズニング、食塩、乾燥ほうれんそう、こしょう/加工デンプン、調味料(無機塩等)、香料、乳化剤、酸味料、香辛料抽出物、(一部に乳成分・小麦・大豆を含む)
栄養成分
1袋当たり(30g)
エネルギー 154kcal
たんぱく質 2.6g
脂質 6.9g
炭水化物 19.6g
食塩相当量 0.46g
発売日 1989年

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
1989年~ 不明 150円
2000年6月~ 94g 150円
2006年6月時点 90g 150円
2008年1月~ 80g 150円
素材派プリッツ トマト
2008年7月~ 42g 132円
細切りプリッツ トマト
2009年6月~ 48g 113円
トマトプリッツ
2013年2月~ 64g 113円
2014年3月~ 60g 113円
2023年2月~ 60g 124円
2024年2月~ 3~13%値上げ

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
94g→90g 不明
90g→80g 表面にサラダドレッシングをスプレッドして焼き上げたことにより、ドレッシングのほのかな酸味が楽しめる。
80g→42g
150円→132円
プリッツのおいしさと最もよく合う素材を練り込み、オリーブオイルとハーブで仕上げた素材感際立つプリッツに。トマトを練り込み、オリーブオイルとレモングラスで仕上げた。
42g→48g
132円→113円
プリッツのおいしさと最もよく合う素材を練り込み、オリーブオイルとハーブで仕上げた素材感際立つプリッツに。トマトを練り込み、オリーブオイルとレモングラスで仕上げた。
48g→64g なし
64g→60g パッケージサイズや味、製法を見直しリニューアル発売。
113円→124円 原材料価格ならびにエネルギーコストは上昇しており、増加したコストを経営の合理化や効率化で吸収するのは極めて困難な状況に。品質を維持するため、価格改定ならびに内容量変更を決定。
3~13%値上げ 食品市場を取り巻く環境において、引き続き原材料費・エネルギーコスト等の価格上昇の影響を受けている状況にあり、経営の合理化や効率化だけで吸収することは非常に困難な状況に。

参考サイト
公式サイト 江崎グリコ株式会社
2000年 94g 150円 日本食糧新聞
2006年 90gにステルス値上げ 日本食糧新聞
2008年1月 80gにステルス値上げ 日本食糧新聞
2008年7月 42g 132円 日本食糧新聞
2009年 48g 113円 江崎グリコ ニュースリリース
2013年 64g 113円 江崎グリコ ニュースリリース
2014年 60gに実質値上げ 江崎グリコ ニュースリリース
2023年 124円に値上げ 江崎グリコ ニュースリリース
2024年 3~13%値上げ 江崎グリコ ニュースリリース

トマトプリッツの値上げ解説

「バター」「サラダ」「ロースト」の3本柱だったグリコの「プリッツ」に「トマト味」が登場したのは1989年。

他のレギュラー品と異なり小袋4つに分けられており、価格もレギュラー品の100円に対しトマトプリッツは1.5倍となる150円。8袋入り300円も存在するなど、他のプリッツとは一線を画していました。

1989年発売当初のトマトプリッツ

確認できる限り、2000年時点のトマトプリッツの内容量は94g(23.5g×4袋)、価格は相変わらず税別150円でした。当時のサラダプリッツやローストプリッツは80g入り100円だったんだが…トマトプリッツ明らかに高くね?

その後2003年頃には90gにステルス値上げし、2008年1月には80gに。内容量を減らすステルス値上げはあれど、ここまで4パック入り150円を貫いていました。

しかしここからトマトプリッツの迷走が始まる

2008年1月のリニューアルからたった半年で路線変更。「素材派プリッツ トマト」に名を変え2008年7月に発売されたそれは、素材を前面に押し出しつつ、内容量はほぼ半減となる42gに。価格は税込138円(税別132円)と18円値下げ。

これまでのトマトプリッツはジリ貧だったことから、付加価値を背景としたプレミアム路線に舵を切った…って感じか。パッケージも箱からパウチタイプに替わったため、「トマトプリッツなくなった」「売ってない」と感じた人もいるかと。

2008年当時のトマトプリッツは内容量80gで参考小売価格150円なのに対し、サラダプリッツは内容量78gで113円。内容量はほとんど一緒にもかかわらず実勢価格で20~30円違えば、トマトに強いこだわりがある人以外サラダ買うわ。

で、プレミアム路線に舵を切ったはいいが、これもいまいちだったんだろうね。約1年後となる2009年6月には「細切りプリッツ トマト」にリニューアル。内容量を48gに増やしたうえ、価格はサラダプリッツなどと同じ税別113円に値下げ。

その後3年半は「細切りプリッツ」で頑張ったトマトさんだが、2013年になって内容量64g(32g×2袋)、税別113円と、再び“普通のプリッツ”に戻る。

素材派プリッツから細切り、普通のトマトプリッツに変化

この64g・113円というパッケージはローストプリッツとほぼ同じ。元々は“ちょっと良さげなプリッツ”としてデビューしたトマトプリッツも、紆余曲折を経て平凡な商品に落ち着いた…といったところか。

普通のプリッツになってから約1年後となる2014年には60gにステルス値上げし、2023年2月には11円値上げして124円に。

現在サラダプリッツの内容量は69g、ロースト62gだから、60gのトマトプリッツは一応「定番商品の中では上位に位置する」というヒエラルキーを堅持している。

でもね、素材派に替わる前の4パック入りトマトプリッツは80g入り150円…1g当たりの単価は1.875円、60g124円の現在は2.067円とそれほど大きくは変わっていないんですよね。

素材派から細切りになり、普通のプリッツに戻った段階…つまり64g113円の時点での1gあたりの単価は1.766円と、昔に比べむしろ単価は安くなっていた。

サラダやローストがガンガン量を減らしていた時期にトマトは迷走し、最終的に定番プリッツと同じような価格帯になった。考えようによっては、トマトプリッツは相対的にお得になったわけだ。

「トマト」という響きからなんとな~く健康に良さげな雰囲気、1袋に1gの食物繊維が入っているという気休めにより、他のプリッツに比べればお菓子を食べる罪悪感も軽減される…かもしれないという付加価値も勘案すれば、サラダ派の各人も「今度はトマトプリッツを食べてみよう!」という気になるのではないでしょうか。

…私はならんけど。

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