雪印メグミルク 切れてるチーズの値上げ情報

雪印メグミルク 切れてるチーズの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー 雪印メグミルク株式会社
商品名 雪印北海道100 チーズ(旧雪印北海道チーズ)
内容量 134g(10枚×2袋)
希望小売価格 440円(税別)
原材料 ナチュラルチーズ、バター/乳化剤
栄養成分
1袋(10枚)
エネルギー 230kcal
たんぱく質 14.5g
脂質 18.8g
炭水化物 0.1~2.8g
食塩相当量 2.0g
発売日 1990年代

価格・内容量推移
年月日 内容量 希望小売価格(税別)
2001年時点 180g(9枚×2袋) 300円
2008年2月~ 180g(9枚×2袋) 330円
2008年8月~ 180g(9枚×2袋) 360円
2009年5月~ 180g(9枚×2袋) 380円
2010年2月~ 180g(9枚×2袋) 365円
2014年9月~ 148g(10枚×2袋) 350円
2018年5月~ 148g(10枚×2袋) 370円
2022年4月~ 148g(10枚×2袋) 390円
2022年9月~ 134g(10枚×2袋) 390円
2023年4月~ 134g(10枚×2袋) 440円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
300円→330円 世界的に乳製品需要が拡大している一方、気象要因等に伴う生乳生産量の低下から、国際市場への乳製品供給量が減少。これにより輸入原料チーズの価格が高騰しているため。
330円→360円 現在、原油価格は史上最高水準にあり、穀物相場も高騰、原材料価格は高値推移が継続。また、飼料価格の高騰により生乳価格の大幅な引き上げとなっていることから価格改定および規格変更。
360円→380円 昨年から飼料価格の高騰により国内酪農家の生産費が大幅上昇。生乳価格の引き上げが決定し、自助努力によるコスト吸収は大変厳しい状況に陥ったため。
380円→365円 平成20年度のチーズ市場は、原料チーズの価格高騰に伴う市場価格の値上がりと景気後退により大きく縮小。その後、生乳生産者団体との交渉により生乳価格が引き下げられたため値下げを実施。
180g→148g
365円→350円
プレーンタイプはバターを配合し口どけよくコクのあるおいしさに、カマンベール入りは北海道産カマンベールを原材料チーズ中7.5%配合。1枚当り約7gと食べやすいサイズに。
350円→370円 酪農経営と生乳生産基盤の強化を目的に、2018年4月取引分からチーズ向け原料乳価格が引き上げ。また、エネルギー、物流費、人件費等のコストアップ吸収が企業努力の範囲を超えたため。
370円→390円 新型コロナウイルス感染症の拡大は依然続いているものの、世界的に経済活動の再開が進みチーズ需要が増加し、輸入原料チーズの価格が高騰。その他コストアップもあり価格改定を実施。
148g→134g 生乳生産量の減少、飼料・エネルギーコスト等の高騰などにより輸入原料チーズの価格が高騰。油脂類、原油価格、輸送運賃、包装資材などのコストアップもあり、価格改定・容量変更を実施。
390円→440円 2023年4月より加工用生乳取引価格の引き上げで合意。また生乳生産量はオセアニアを中心に低調に推移し国際乳製品相場が高騰、コスト上昇は企業努力による吸収の範囲を超えた。

参考サイト
公式サイト 雪印メグミルク株式会社
2001年 180g 300円 雪印乳業 主要商品のご案内
2008年2月 330円に値上げ 雪印乳業 雪印商品のご案内
2008年8月 360円に値上げ 雪印乳業 ニュースリリース
2009年 380円に値上げ 雪印乳業 雪印商品のご案内
2010年 365円に値下げ 雪印乳業 雪印商品のご案内
2014年 148g 350円に実質値上げ 雪印メグミルク ニュースリリース
2018年 370円に値上げ 雪印メグミルク ニュースリリース
2022年4月 390円に値上げ 雪印メグミルク ニュースリリース
2022年9月 134gに実質値上げ 雪印メグミルク ニュースリリース
2023年 440円に値上げ 雪印メグミルク ニュースリリース

雪印メグミルク 切れてるチーズの値上げ解説

いわゆる“塊チーズ”である雪印北海道100 チーズやファミリアチーズを使用していると感じずにはいられない「いちいち切るのめんどくせぇ…」。これを解消した画期的商品が「切れてるチーズ」です。

…ま、本当に「画期的」と言えるのは、切り口がくっついてしまう問題を解決し、1990年に日本で最初に切れてるチーズを発売した森永乳業であり、雪印乳業はそれをパクっただけだけどね。

そんな後出し商品である雪印メグミルクの切れてるチーズ、2001年時点の内容量は180gで、価格は税別300円。1枚10g×9枚を2袋に小分けにして利便性を向上させていた点は森永乳業に勝っていたといえる。

2008年、2月と8月の2度値上げを行い、それぞれ330円、360円に値上げ。翌2009年5月には380円に値上げしています。しかし2008年に起きたリーマンショックの影響により景気減速が鮮明になり、2010年に365円に値下げ。

しかしその後は景気が上向き、生乳価格の引き上げなども相まって2014年に内容量を148gへと大幅に減らしつつ価格を350円に値下げします。もちろんステルス値上げだ。

それまで1枚10gの9枚×2袋だった規格を、1枚約7gの10枚×2袋に変更。ニュースリリースでは「食べやすいサイズにした」とかもっともらしいことを書いているが、ペラペラにしてでも枚数を増やし、ステルス値上げ感を和らげたかったのだろう。

加えて、プレーンと同じ内容量・価格で10年以上にわたり販売していた、ゴーダチーズでチェダーチーズをサンドした3層構造の「切れてるチーズ チェダーサンド(旧切れてるチーズ&チーズ)」を終売し、入れ替わるように「切れてるチーズ カマンベール入り」を新発売。

雪印メグミルク 切れてるチーズ チェダーサンドからカマンベール入りに

チェダーチーズをゴーダチーズでサンドするという、見るからにコストのかかりそうな商品から、カマンベールをたった7.5%配合しただけのチーズに変更したわけだ。

考えようによってはキシリクリスタルが3層構造をやめて普通の飴になるくらいの衝撃よ? これも立派なステルス値上げだよな。

その後も値上げは続き、2018年370円、2022年4月390円、それから半年も経たない2022年9月に134gにステルス値上げし、2023年には50円値上げして440円に。

ちなみに切れてるチーズの元祖である森永乳業の「クラフト 切れてるチーズ」は、内容量134gで雪印メグミルクのそれと同一ながら、価格は450円と10円高いし、雪印のように小分けされていないのはちと不便。

そうはいっても雪印メグミルクの切れてるチーズの内容量と価格は134gで440円。スライスチーズ(7枚)の112g・423円よりは割安であるものの、雪印北海道100 チーズの200g・575円に比べるとかなり割高。

切れてるチーズはブロックチーズに比べ切る手間が省ける反面、ブロックチーズには作る料理や気分によって切る厚さを変えられるというメリットがある。無駄に分厚く切ってリスのように頬張るのも一興よ。

そもそもチーズを切るのってそんなに手間か? 包丁出して、切って、すぐにサラッと洗う…20秒もあれば完結するよね。このひと手間にかかる時間や労力がそれほど惜しいものなのか?

世の中、分刻みのスケジュールが求められる総理大臣並みに忙しい人が多いんだな。

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