雪印 6Pチーズ カマンベール入りの値上げ情報
メーカー | 雪印メグミルク株式会社 |
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商品名 | 6Pチーズ カマンベール入り |
内容量 | 90g |
希望小売価格 | 427円(税別) |
原材料 | ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、寒天、たん白加水分解物、デキストリン/乳化剤、加工デンプン、香料、調味料(アミノ酸) |
栄養成分 1個(15g) |
エネルギー 48kcal たんぱく質 2.5g 脂質 4.1g 炭水化物 0.2~1.2g 食塩相当量 0.32g |
発売日 | 1998年 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 希望小売価格(税別) |
1998年~ | 120g | 250円 |
2006年2月~ | 120g | 270円 |
2008年2月~ | 120g | 320円 |
2008年8月~ | 120g | 350円 |
2010年2月~ | 120g | 335円 |
2014年1月~ | 108g | 335円 |
2018年5月~ | 108g | 355円 |
2019年4月~ | 96g | 355円 |
2022年4月~ | 96g | 375円 |
2022年9月~ | 90g | 375円 |
2023年4月~ | 90g | 427円 |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
250円→270円 | 世界的に乳製品需要が旺盛でありチーズの国際相場が高騰していることに加え、原油高による包装資材などのコストアップ、円安が続く中、家庭用チーズの価格・容量を見直し。 |
270円→320円 | 世界的に乳製品需要が拡大している一方、気象要因等に伴う生乳生産量の低下から、国際市場への乳製品供給量が減少。これにより輸入原料チーズの価格が高騰しているため。 |
320円→350円 | 現在、原油価格は史上最高水準にあり、穀物相場も高騰、原材料価格は高値推移が継続。また、飼料価格の高騰により生乳価格の大幅な引き上げとなっていることから価格改定および規格変更。 |
350円→335円 | 平成20年度のチーズ市場は、原料チーズの価格高騰に伴う市場価格の値上がりと景気後退により大きく縮小。その後、生乳生産者団体との交渉により生乳価格が引き下げられたため値下げを実施。 |
120g→108g | 世界的な乳製品の需要拡大や外国為替をめぐる情勢等で、輸入チーズ価格は高止まりの状況に。また、配合飼料価格の値上がりの影響で生乳取引価格が引き上げられるなどの影響により容量変更。 |
335円→355円 | 酪農経営と生乳生産基盤の強化を目的に、2018年4月取引分からチーズ向け原料乳価格が引き上げ。また、エネルギー、物流費、人件費等のコストアップ吸収が企業努力の範囲を超えたため。 |
108g→96g | 容量を108gから96gに変更し、包装アルミの商品名を赤から青に変更してリニューアル。 |
355円→375円 | 新型コロナウイルス感染症の拡大は依然続いているものの、世界的に経済活動の再開が進みチーズ需要が増加し、輸入原料チーズの価格が高騰。その他コストアップもあり価格改定を実施。 |
96g→90g | 生乳生産量の減少、飼料・エネルギーコスト等の高騰などにより輸入原料チーズの価格が高騰。油脂類、原油価格、輸送運賃、包装資材などのコストアップもあり、価格改定・容量変更を実施。 |
375円→427円 | 2023年4月より加工用生乳取引価格の引き上げで合意。また生乳生産量はオセアニアを中心に低調に推移し国際乳製品相場が高騰、コスト上昇は企業努力による吸収の範囲を超えた。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 雪印メグミルク株式会社 |
2003年 120g 300円 | 雪印乳業 雪印商品のご案内 |
2006年 270円に値上げ | 雪印乳業 ニュースリリース |
2008年 320円に値上げ | 雪印乳業 雪印商品のご案内 |
2008年 350円に値上げ | 雪印乳業 雪印商品のご案内 |
2010年 335円に値下げ | 雪印乳業 雪印商品のご案内 |
2014年 108gに実質値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2018年 355円に値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2019年 96gに実質値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2022年4月 375円に値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2022年9月 90gに実質値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2023年 427円に値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
6Pチーズ カマンベール入りの値上げ解説
雪印メグミルクを代表するチーズである「6Pチーズ」にカマンベールチーズを配合した「6Pチーズ カマンベール入り」。…カマンベールチーズの割合は2%に満たないけどな。
6Pチーズ カマンベール入りが発売されたのは1998年で、当時の商品名は「北海道カマンベール入り 6Pチーズ」で、内容量は120g、価格は税別250円。
当時の「雪印 6Pチーズ」が150g入り300円ということを考えると、北海道カマンベール入り 6Pチーズは「ほんの少しリッチなチーズ」という位置付けだったと考えられます。
ただ、2001年頃の雪印乳業のホームページを見ると、カマンベール入り 6Pチーズの記載はなく「カマン&ブルー入り 6Pチーズ」が存在。
ただ単にホームページに載せていなかったのか、カマン&ブルー入り 6Pチーズと入れ替わるように販売終了していたのかは不明。ちなみにこのカマン&ブルー入り 6Pチーズも120g入りで250円だった。
再び北海道カマンベール入り6Pチーズの存在が確認できるのは2003年で、内容量120g・250円は変わらず。しかし2006年になると、チーズの国際価格高騰や原油価格高を理由に270円に値上げします。
2008年2月に一気に320円へと値上げし、半年後となる同年8月には350円に。通常の雪印6Pチーズは2月に120g・330円、8月に120g・360円に値上げ・実質値上げされたことから、カマンベール入り 6Pチーズの方が安いという逆転現象が。
2010年、リーマンショックの影響により世界的な商品価格の下落、景気の落ち込みなどを背景に335円に値下げ。しかし2014年からは一貫して値上げ傾向に。
2014年、お決まりの原材料価格高騰などを理由に108gにステルス値上げ。2018年355円に値上げし、2019年のリニューアルで96gに減量。ここで素の6Pチーズの方が高いという逆転現象がやっと解消されます。
さらに値上げは続き、2022年4月に375円、同年9月90gにステルス値上げ、2023年4月には一気に52円値上げして427円に。
2006年1月まで120g・250円だったものが現在は90g・427円だから、17年ちょっとで価格は2倍以上に跳ね上がったことになる。まあ、これは雪印メグミルクのみならず、他メーカー含め多くのチーズに当てはまることだがな。
このカマンベール入りの6Pチーズ、6Pチーズ派生商品の定番ということもあり、明治や森永乳業といった大手メーカーも販売している。せっかくだからちょっと比較してみましょうか。
ちなみに価格は3社の値上げが出揃う2023年5月以降のもの。
内容量 | カマンベール分 | 価格(税別) | |
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雪印メグミルク | 90g | 1.8% | 427円 |
明治 | 96g | 5%以上 | 385円 |
森永乳業 | 90g | 6%以上 | 380円 |
六甲バター | 90g | 3%以上 | 295円 |
いやいや、ちょっと待てよと。カマンベールチーズ分が最も少ない雪印メグミルクの6Pチーズ カマンベール入りが頭一つ抜けて高価ってどういうことよ?
安さが売りの六甲バターのQ・B・Bは置いておくとして、明治や森永乳業と比べ雪印メグミルクのそれはカマンベールの配合量が少ない反面、価格は50円以上高い。なんじゃそりゃ?
6Pチーズを世に送り出したのは雪印乳業であり、他メーカーの6Pチーズはいわば“パクり”。“6Pチーズの元祖”という自負から雪印メグミルクの6Pチーズは強気の値付けになっているのかもしれない。
各社から出ているこのカマンベール入りの6Pチーズ、評価を見てみると「カマンベール入りというだけあって柔らかい」だの「コクがある」だの、なかなか評判がいい。
でもさ、一般的なプロセスチーズにカマンベールチーズをたかだが数%入れるだけで目に見えて柔らかくなったり、カマンベールチーズっぽい味になったりするはずがない。
メーカーはカマンベールチーズっぽい柔らかさや味に調整したうえで、そこに説得力を持たせるため気持ちばかりのカマンベールチーズを入れているに過ぎない。カマンベールチーズの有無にかかわらず元から「カマンベール風チーズ」なのだ。
ま、それで消費者が納得すれば問題ないんだろうけど、「カマンベールチーズが入っているとやっぱ違うね!」とか言っちゃうとちょっと恥ずかしいかも…