雪印メグミルク クリームチーズの値上げ情報
メーカー | 雪印メグミルク株式会社 |
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商品名 | クリームチーズ |
内容量 | 200g |
希望小売価格 | 530円(税別) |
原材料 | ナチュラルチーズ、食塩/安定剤(増粘多糖類)、乳化剤、(一部に乳成分を含む) |
栄養成分 100gあたり |
エネルギー 341kcal たんぱく質 9.0g 脂質 32.4g 炭水化物 2.0~5.6g 食塩相当量 0.79g |
発売日 | 1981年 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 希望小売価格(税別) |
2001年時点 | 200g | 360円 |
2008年8月~ | 200g | 420円 |
2010年2月~ | 200g | 385円 |
2018年5月~ | 200g | 435円 |
2022年4月~ | 200g | 455円 |
2022年9月~ | 200g | 470円 |
2023年4月~ | 200g | 530円 |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
360円→420円 | 現在、原油価格は史上最高水準にあり、穀物相場も高騰、原材料価格は高値推移が継続。また、飼料価格の高騰により生乳価格の大幅な引き上げとなっていることから価格改定および規格変更。 |
420円→385円 | 平成20年度のチーズ市場は、原料チーズの価格高騰に伴う市場価格の値上がりと景気後退により大きく縮小。その後、生乳生産者団体との交渉により生乳価格が引き下げられたため値下げを実施。 |
385円→435円 | 酪農経営と生乳生産基盤の強化を目的に、2018年4月取引分からチーズ向け原料乳価格が引き上げ。また、エネルギー、物流費、人件費等のコストアップ吸収が企業努力の範囲を超えたため。 |
435円→455円 | 新型コロナウイルス感染症の拡大は依然続いているものの、世界的に経済活動の再開が進みチーズ需要が増加し、輸入原料チーズの価格が高騰。その他コストアップもあり価格改定を実施。 |
455円→470円 | 生乳生産量の減少、飼料・エネルギーコスト等の高騰などにより輸入原料チーズの価格が高騰。油脂類、原油価格、輸送運賃、包装資材などのコストアップもあり、価格改定・容量変更を実施。 |
470円→530円 | 2023年4月より加工用生乳取引価格の引き上げで合意。また生乳生産量はオセアニアを中心に低調に推移し国際乳製品相場が高騰、コスト上昇は企業努力による吸収の範囲を超えた。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 雪印メグミルク株式会社 |
2001年 200g 360円 | 雪印乳業 主要商品のご案内 |
2008年 420円に値上げ | 雪印乳業 雪印商品のご紹介 |
2010年 385円に値下げ | 雪印乳業 雪印商品のご紹介 |
2018年 435円に値上げ | 雪印メグミルク 商品のご案内 |
2022年4月 455円に値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2022年9月 470円に値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
2023年 530円に値上げ | 雪印メグミルク ニュースリリース |
雪印メグミルク クリームチーズの値上げ解説
クリームチーズといえば、伊藤ハムが日本での販売を担っている「kiri(キリ)」、あるいは森永乳業が日本での製造・販売を手掛ける「フィラデルフィア」を思い浮かべる人が多いことでしょう。
6Pチーズやスライスチーズでは無類の強さを発揮する雪印メグミルクも、クリームチーズにおいては存在感が薄い…しかしブロックタイプのクリームチーズに限ると、フィラデルフィアに次いで目にすることが多いのが雪印メグミルクの「クリームチーズ」ではないでしょうか。
1981年に発売された雪印メグミルク(当時は雪印乳業)のクリームチーズ、内容量や価格が確認できる範囲では、2001年時点で200g入り税別360円だった模様。
2008年に原材料価格や原油価格の高騰を背景に420円に値上げするも、2010年には385円に値下げ。2008年に値上げした直後にリーマンショックが起き、豪快に景気が悪化し原材料価格などが急落したことによる値下げですね。
その後はアベノミクスや世界経済の回復により景気は上向き、原材料などの価格も上昇。2018年435円に値上げし、新型コロナウイルスからの回復が鮮明になった2022年に2度の値上げで470円、2023年には530円に値上げしています。
20年前に比べ価格は約1.5倍になったとはいえ、実質的に2倍以上の価格になってしまった6Pチーズやスライスチーズに比べれば、雪印メグミルクの「クリームチーズ」の値上げペースは穏やか。
とはいえ、チーズケーキなどを頻繁に作る人の胸中は穏やかじゃないだろうけどな。
雪印メグミルク含め、多くのチーズが内容量を減らす“ステルス値上げ”と価格の値上げを繰り返してきたのに対し、クリームチーズは価格の値上げは行うものの「内容量200g」は堅持しているのが印象深い。
こういったブロックタイプのクリームチーズはチーズケーキ作りに使われることが多く、世間一般に広まっているチーズケーキのレシピの多くが「クリームチーズ 200g」を基準としていることが大きな理由かと。
ところでこの雪印メグミルクのクリームチーズ、20年ほど前からの「種類別名称」を見てみると、プロセスチーズとナチュラルチーズを何度か行き来しているのが確認できる。
具体的には2001年時点から2007年10月頃までは「ナチュラルチーズ」、2007年末頃から2018年頃まで「プロセスチーズ」、以降ナチュラルチーズに戻るも、2022年4月から再びプロセスチーズに変更。
プロセスチーズからナチュラルチーズ、あるいはその逆の変更が行われても栄養成分はまったく変わっていません。唯一違う点は「乳化剤」が使用されているかどうか。乳化剤を使用して加工すると「プロセスチーズ」になってしまうのです。
雪印メグミルクのクリームチーズがなぜナチュラルチーズとプロセスチーズを行ったり来たりしているかは不明。コストや生産性の問題なのか、保存性などを考えた結果なのか…
ちなみに、ブロックタイプのクリームチーズとして圧倒的な存在感を示すフィラデルフィアは種類別ナチュラルチーズだし、原材料もナチュラルチーズではなく、生乳とクリームを使用している。kiriはプロセスチーズだがやっぱり生乳とクリーム使用。
雪印のクリームチーズも、2007年までのナチュラルチーズ時代は生乳とクリームを使用していたんだけどねぇ…
この変更がコスト削減によるものだとしたら、これも立派なステルス値上げ。
良くも悪くも雪印メグミルクのクリームチーズに酸味が少ないのは、原材料の段階でナチュラルチーズを使用しているからなのかもしれない。ちなみに業務スーパーのアメリカ産クリームチーズもクリームと乳を使用したナチュラルチーズ。
私はたま~にベイクドチーズケーキを作ることがある。その際、売り場にフィラデルフィアと雪印メグミルクのクリームチーズが同じ値段で売られていたら…迷わずフィラデルフィアを手に取るわ。