チキンラーメン(袋)の値上げ情報
メーカー | 日清食品株式会社 |
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商品名 | チキンラーメン |
内容量 | 85g |
希望小売価格 | 136円(税別)5食パック 680円 |
原材料 | 油揚げめん(小麦粉、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、香辛料、糖類、たん白加水分解物、卵粉、デキストリン、香味調味料、オニオンパウダー)/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉を含む) |
栄養成分 1食(85g) |
エネルギー 377kcal めん:335kcal スープ:42kcal たんぱく質 8.2g 脂質 14.5g 炭水化物 53.6g 食塩相当量 5.6g めん:2.3g スープ:3.3g |
発売日 | 1958年8月 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 希望小売価格(税別) |
1958年8月~ | 85g | 35円 |
1960年代~ | 85g | 30円 |
1968年~ | 85g | 35円 |
1975年時点 | 85g | 50円 |
1980年時点 | 85g | 70円 |
1983年~ | 85g | 80円 |
2001年7月時点 | 85g | 90円 |
2008年1月~ | 85g | 100円 |
2015年1月~ | 85g | 105円 |
2019年6月~ | 85g | 111円 |
2022年6月~ | 85g | 123円 |
2023年6月~ | 85g | 136円 |
チキンラーメン 5食パック | ||
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年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税別) |
2001年7月時点 | 85g×5食 | 450円 |
2008年1月~ | 85g×5食 | 500円 |
2015年1月~ | 85g×5食 | 525円 |
2019年6月~ | 85g×5食 | 555円 |
2022年6月~ | 85g×5食 | 615円 |
2023年6月~ | 85g×5食 | 680円 |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
90円→100円 | 小麦の政府売渡価格の大幅引き上げに加え、パーム油や包装資材、具材、スープ原料など原材料価格の高騰により、コストアップを抑える企業努力が限界に近づいたため。 |
100円→105円 | 新興国の需要拡大や円安により原材料価格の上昇が続き、包装資材や物流コストも高騰しており、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となったため。 |
105円→111円 | 具材、包材などの原材料や資材価格が高騰、加えて製造労務費や物流費も上昇しており、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となったため。 |
111円→123円 | 小麦の価格が大幅に高騰していることに加え、包材をはじめ資材価格やエネルギー費、物流費も上昇しており、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となり、やむを得ず価格改定。 |
123円→136円 | 原材料や包装資材の価格高騰に加え、エネルギーコストも大幅な上昇が続いており、全社を挙げ効率化・合理化を進め価格維持に努めるも、自助努力だけではコスト吸収は困難に。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 日清食品株式会社 |
2000年 85g 90円 | 日清食品 ニュースリリース |
2008年 100円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2015年 105円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2019年 111円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2022年 123円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2023年 136円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
チキンラーメンの値上げ解説
世界初のインスタントラーメンとして1958年に登場した日清食品の「チキンラーメン」。ラーメン店で口にする「ラーメン」とはほど遠い味・食感にもかかわらず、現在も一線級の人気を維持しているのは素直にすごいと感じる。
1958年にチキンラーメンが発売された時点での内容量は現在と変わらない85gで、価格は35円。一見安く感じるこの価格ですが、当時はうどん1玉6円、国鉄初乗り10円だった時代背景を考えると、それなりの贅沢品だったのでしょう。
その後の価格の推移はやや不明瞭ながら、2000年時点での価格は1袋90円だったことが確認できます。
2008年になると、小麦の政府売渡価格の上昇、他の原材料価格の高騰を理由に100円に値上げします。2007年の小麦の政府売渡価格は4月に30%アップ、10月に10%アップと大幅に引き上げられたたため、この値上げは致し方ないといえるでしょう。
ただし、これには後日談もあって、2007年に急騰した小麦価格も2008年のリーマンショックで暴落し、2008年の小麦の政府売渡価格は4月に14.8%、10月に23%下落と、完全に“行って来い状態”だったんですよね。
にもかかわらずチキンラーメン含め2008年に一斉に値上げした食品は総じて値下げは行っていない。原材料価格上昇時はしっかり値上げし、原材料価格下落時は知らん顔…なんかこうモヤモヤするよね。
2015年には再び原材料価格の高騰を理由に1袋105円に値上げ。また2019年にも同様の理由により111円に、2022年6月には一気に12円値上げして123円になり、2023年6月からは136円へ。
ちなみに、5袋入の「チキンラーメン 5食パック」の希望小売価格は単純に1袋136円×5袋の680円となっています。「まとめて買うとちょっとお得」的な配慮はないらしい。
にしても…冒頭でも書きましたが、日清のチキンラーメンって、一般的な人がイメージするラーメン店のラーメンとは似ても似つかない食べ物ですよね。
太くもないのに妙に平べったくて、つるつる感やコシとはほど遠いふにゃふにゃの麺に加え、ベビースターラーメンレベルの死ぬほど安っぽいスープの味…お湯を注げば驚くほどチープな香りが部屋に充満する。
各社が“いかにラーメンに近づけるか”に注力し進化を続ける「インスタントラーメン」というカテゴリを超越し、唯一無二の「チキンラーメン」という存在…
これ、一見褒めているようで、別に褒めてないからな。
これだけ安っぽいのに価格は下手なインスタントラーメンより高く、実売価格は1袋88~118円、5食パックはどんなに安くても398円くらいの印象。恐ろしくチープなその味に似合わない強気な価格設定なんですよね。
ただ、この死ぬほど安っぽい味に妙な中毒性があるのも確か。子供の頃からチキンラーメンに親しんだ結果、「チキンラーメンは美味い」と洗脳されている面もあるだろう。刷り込み効果的な。
もしや…チキンラーメンのキャラクターである謎のひよこは、「チキンラーメン=美味い」と刷り込まれた日清食品の養分共を具現化したものなのか?
また、一般的なインスタントラーメンは鍋でゆでながら作るのに対し、チキンラーメンはお湯を注ぐだけと手軽さも大きな武器。
手軽さ、中毒性のあるチープな味、昔ながらの安心感に加え、日清食品の巧みな広告戦略…様々な要因が重なって人気を不動のものにしているのでしょう。
ただ、手軽さを求めるなら60~70円くらいで買える安いカップラーメンで事足りるし、袋麺を作ることを面倒だと思わないし、チキンラーメン特有のチープな味わいにこれといった思い入れもないため、個人的にはチキンラーメンに対し「割高な菓子ラーメン」という印象しかない。
そうはいっても、たまーにチキンラーメンを食べると「あ、うまっ!」ってなるんだよね。ものすごく安っぽい味なのに、なぜか美味しくてどこか懐かしい…不思議な魔力を持ったすごい商品なのは間違いない。
カップヌードルにも言えることですが、「ラーメン」というカテゴリに囚われない「ラーメンっぽい何か」に対し、歴史と親近感を背景とした特別感を付与し高く売りつけることに関しては、日清食品の右に出るものはいないな。