日清ラ王 5食パック(袋麺)の値上げ情報
メーカー | 日清食品株式会社 |
---|---|
商品名 | 日清ラ王 5食パック |
内容量 | 醤油:505g(めん400g) |
希望小売価格 | 680円(税別) |
原材料 | めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、卵粉、チキン調味料)、スープ(しょうゆ、植物油脂、鶏脂、食塩、香辛料、糖類、ねぎ調味油、メンマパウダー)/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、リン酸Ca、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、増粘剤(キサンタンガム)、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
栄養成分 1食(101g) |
エネルギー 346kcal めん・かやく:277kcal スープ:69kcal たんぱく質 8.4g 脂質 7.7g 炭水化物 60.8g 食塩相当量 6.5g めん・かやく:2.4g スープ:4.1g |
発売日 | 2012年8月 |
価格・内容量推移 | ||
---|---|---|
年月日 | 内容量 | 希望小売価格(税別) |
2012年8月~ | 510g | 500円 |
2015年1月~ | 510g | 525円 |
2019年6月~ | 510g | 555円 |
2019年9月~ | 505g | 555円 |
2022年6月~ | 505g | 615円 |
2023年6月~ | 505g | 680円 |
値上げ理由・建前 | |
---|---|
タイミング | 公表内容 |
500円→525円 | 新興国の需要拡大や円安により原材料価格の上昇が続き、包装資材や物流コストも高騰しており、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となったため。 |
525円→555円 | 具材、包材などの原材料や資材価格が高騰、加えて製造労務費や物流費も上昇しており、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となったため。 |
510g→505g | キリっとした醤油と鶏の旨みがたっぷり詰まったまろやかで上質なスープをベースに、どんぶり一面に広がる鶏油が麺に絡み、全粒粉入り麺のおいしさを一層引き立てることにより、昨今の醤油ラーメンのトレンドを取り入れた味に。 |
555円→615円 | 小麦の価格が大幅に高騰していることに加え、包材をはじめ資材価格やエネルギー費、物流費も上昇しており、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となり、やむを得ず価格改定。 |
615円→680円 | 原材料や包装資材の価格高騰に加え、エネルギーコストも大幅な上昇が続いており、全社を挙げ効率化・合理化を進め価格維持に努めるも、自助努力だけではコスト吸収は困難に。 |
参考サイト | |
---|---|
公式サイト | 日清食品株式会社 |
2012年 510g 500円 | 日清食品 ニュースリリース |
2015年 525円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2019年 555円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2019年 505gに減量 | 日清食品 ニュースリリース |
2022年 615円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
2023年 680円に値上げ | 日清食品 ニュースリリース |
日清ラ王 5食パック(袋麺)の値上げ解説
1992年に発売されるや否や、従来のカップ麺とは一線を画した“本物感”で一世を風靡した日清ラ王。それから20年経った2012年、ノンフライ麺になってしまった日清ラ王ブランドから満を持して袋麺が発売されました。
発売時の内容量は5袋計510g(めん400g)で、希望小売価格は税別500円。1袋当たりに直すと102g(めん80g)で税別100円ということになりますか。
発売してからまだそれほど経っていないため、値上げやステルス値上げはほとんど行われていない…かと思いきや、日清食品では2015年と2019年にインスタントラーメンの値上げが行われており、それに伴いラ王 5食パックも値上げ。
具体的には、2015年に25円値上げして税別525円、2019年には30円値上げして555円、2022年6月60円値上げし615円、2023年6月には65円値上げで680円に。また、2019年9月に行われたリニューアルにより、それまでの510gから505gに減量しています。
ただ、麺の重量は400gと変化がないため、スープの改良により微減しただけなのでしょう。これを「ステルス値上げ(実質値上げ)」と言うのはさすがに心苦しい。
日清ラ王といえば「高級カップ麺」のイメージが強く、実際カップ麺のラ王の希望小売価格は254円と、袋麺ラ王の約2倍。袋麺のラ王は「ラ王の名を冠している割に安いな」という印象。
なんてったってチキンラーメンと同じ価格だからな。ラ王も安くなったもんだ。
常識的考えれば、高級カップ麺にカテゴライズされるラ王の袋麺バージョンが、チキンラーメン含め普通の袋麺と同じ価格になるとは思えない。この“ラ王安売り”の背景には、間違いなくマルちゃん正麺の存在が影響しているでしょう。
というのも、日清ラ王 5食パックが発売された2012年8月から遡ること約10ヶ月、2011年11月に東洋水産が生麺に限りなく近づけることに成功した“生麺うまいまま製法”を引っさげ「マルちゃん正麺」を発売しているんですよね。
当時の内容量は105g(めん80g)で5食パック500円。つまり一袋当たり100円。
2010年に生タイプ麺からノンフライ麺に移行しながらも、内容量114g(めん65g)で税別237円という高額な値札をぶら下げていた日清ラ王のカップ麺をあざ笑うかのよう。
2012年8月に発売された日清ラ王 5食パックは、間違いなく「打倒マルちゃん正麺」を目指して作られたものでしょう。それを物語るように、発売時のラ王 5食パックはめん80gで税別500円と、マルちゃん正麺と丸被り。
現在もめん重量、価格とも同一です。
ちなみに、下図は2012年8月時点で出揃っていたマルちゃん正麺の「醤油」「味噌」「豚骨」「塩」と、2012年8月から2013年10月にかけて発売された日清ラ王 5食パックの同じ味のパッケージを並べてみたのだが…
…まあ、うん、ラ王は生麺の頃、醤油が赤、味噌は茶色、豚骨は緑という色使いをしていたけど、2010年にノンフライ麺になってから味噌は青だったんだよね。でも袋麺発表後は味噌を茶色に変更し、塩を青にしている。
マルちゃん正麺にぶつけるために色を変更した感がありありと見て取れるし、色の配置も似ていることから、マルちゃん正麺の二番煎じ感がハンパない。
一世を風靡したカップ麺の王者「ラ王」も、現在は有象無象の小物に。
ただ、味に関しては“腐ってもラ王”。
生麺というアイデンティティを捨て、マルちゃん正麺の二番煎じ的ポジションとはいえ、生麺に近い食感を実現した麺、しっかりとした味付けのスープは、一般的な袋麺とは明らかに異なり、十分な満足感を与えてくれる。
サッポロ一番やチキンラーメンなど、昔から馴染みがあるから美味いと感じるだけの安っぽい袋麺と、日清食品のプライドが詰め込まれたラ王が同じ価格というのはにわかに信じがたい。
もしマルちゃん正麺が登場していなかったとしたら、ラ王の袋麺は発売されなかったかもしれないし、仮に発売されたとしても、現在のように一般的な袋麺と同じ価格というのはありえなかったのではないだろうか。
で、バッチバチのライバルであるマルちゃん正麺とラ王袋麺、どっちが美味しいかに関しては個人的な好みが影響してくるので明言を避けますが、「総合的な評価は同レベル」と言って差し支えないでしょう。
ただし、“総合的な評価”には価格も含まれています。ラ王袋麺もマルちゃん正麺も5食入の希望小売価格は税別680円と同一ながら、スーパーなどの実売価格はラ王の方が高いケースが多く、特売や安売りに登場することも少ない。
日清食品のどん兵衛とマルちゃん赤いきつね・緑のたぬきにも言えることですが、ライバル商品で希望小売価格や内容量が同じでも、多くの場合日清食品の商品の方が高く売られているんですよね。
そこは単純にブランド力の差なのか、もしくはブランド維持のためにあまり値下げを行わないよう日清食品が働きかけているのか…どちらにせよラ王が安売りされるケースは少ないのが実情。
それでもマルちゃん正麺と人気を二分しているあたり、麺の食感を含めた純粋な「味」に関してはラ王の方が若干勝っているという評価が大勢。
日清食品ってインスタント麺のメーカーではぶっちぎりのシェアを誇り、値下げも渋いことから、個人的には「殿様商売している」という印象が。だからこそマルちゃんブランドで知られる東洋水産には頑張ってほしいのだが…
カップ麺を含めた日清ラ王の迷走、なりふり構わない対応などでラ王に対する私の個人的なイメージは決して良くないものの、麺の食感やスープの完成度は「さすが日清」と言わざるを得ない。
そこが腹立たしいんだけどね。