クラフト スライスチーズの値上げ情報

クラフト スライスチーズの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー 森永乳業株式会社
商品名 クラフト スライスチーズ(7枚入り)
内容量 112g(16g×7枚)
希望小売価格 475円(税別)
原材料 ナチュラルチーズ(外国製造、国内製造) 、ホエイパウダー/乳化剤、(一部に乳成分を含む)
栄養成分
(1枚16g当たり)
エネルギー 50kcal
たんぱく質 3.0g
脂質 4.0g
炭水化物 0.5g
食塩相当量 0.5g
発売日 不明

価格・内容量推移
年月日 内容量 希望小売価格(税別)
2004年9月~ 180g(10枚) 300円
2007年9月~ 180g(18g×10枚) 330円
2008年3月~ 144g(18g×8枚) 330円
2008年9月~ 144g(18g×8枚) 360円
2014年3月~ 126g(18g×7枚) 360円
2018年5月~ 126g(18g×7枚) 380円
2022年4月~ 126g(18g×7枚) 400円
2022年10月~ 112g(16g×7枚) 420円
2023年4月~ 112g(16g×7枚) 445円
2025年4月~ 112g(16g×7枚) 475円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
2007年9月
300円→330円
なし
2008年3月
180g→144g
原料であるチーズ高騰のため2007年9月に価格改定を実施したが、前回を上回る外部環境の激変と、原料チーズを取り巻く一層の厳しい環境が今後も予想されることから。
2008年9月
330円→360円
世界的な乳製品の需要拡大や生乳生産量低下により輸入原料チーズなどの相場が著しく高騰の一途を辿り、また原油価格の高騰による資材価格やエネルギーコストの上昇が続いているため。
2014年3月
144g→126g
世界的な乳製品需要の増加、為替相場の影響などにより、輸入原料チーズの価格は高値推移が続き、また為替・穀物相場の情勢に起因する飼料価格高騰やエネルギーコスト上昇が限界を超えたため。
2018年5月
360円→380円
世界的な乳製品需要の大幅増加の影響を受け、輸入原料チーズの価格は高値推移の状況が継続すると見られ、自助努力によるコスト低減が限界を超えると判断。
2022年4月
380円→400円
中国をはじめとする世界的な乳製品の需要拡大による原料チーズの価格高騰に加え、原油価格の高騰による包装資材、物流コストの上昇により、企業努力のみのコスト吸収が限界を超えたため。
2022年10月
126g→112g
400円→420円
世界的な需要の増加や生産国における天候不順などの影響を受け、輸入乳原料、油脂類、野菜の価格は大幅に高騰。企業努力のみのコスト吸収では限界を超える水準になったため。
2023年4月
420円→445円
原材料および包装資材の価格やエネルギーコストが上昇、人手不足の深刻化による人件費や物流費も高騰しており、安全・安心な商品を供給していくため価格改定。
2025年4月
445円→475円
原材料および包装資材の価格やエネルギーコストが上昇ていることに加え、人手不足の深刻化による人件費や物流費も高騰しており、これらの傾向は今後も継続することが予想されるため。

参考サイト
公式サイト 森永乳業株式会社
2004年 180g 300円 日本食糧新聞
2008年 144gにステルス値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2008年 360円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2014年 126gにステルス値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2018年 380円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2022年4月 400円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2022年10月 112g・420円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2023年 445円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2025年4月 475円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース

クラフト スライスチーズの値上げ解説

森永乳業の代表的なスライスチーズである「クラフト スライスチーズ(7枚入り)」。ちなみに「クラフト」とは、森永乳業が業務提携しているアメリカの企業名。

森永製菓のスライスチーズがいつ発売されたのかは不明。チーズ自体は1933年に「森永チーズ」の販売が開始され、クラフト社と業務提携したのが1970年。

米クラフト社は1950年くらいにはスライスチーズを販売していたらしく、日本では雪印乳業が1962年に発売。1枚1枚フィルムに包まれたスライスチーズは1971年に六甲バターが日本で初めて発売しているから、森永乳業がスライスチーズを発売したのは1960~1970年代あたりか?

それはさておき、内容量と価格が確認できる範囲では、2004年にリニューアルされたクラフト スライスチーズが内容量180g(10枚)、税別300円となっています。

しかしそこからの値上げ&ステルス値上げっぷりは圧巻の一言。

2007年9月、目立った発表はなかったものの、原料となるチーズの価格高騰を理由に、それまでの税別300円から10%値上げとなる330円に。

その半年後となる2008年3月には、価格を据え置いたまま10枚から8枚に大幅減量。もちろん1枚当たりの重量も据え置きであるため、グラム的には180gから144gへ。気持ちがいいくらいのステルス値上げだな。

そこからさらに半年後の2008年9月には360円へと値上げ。

確かに容赦ない値上げではあるものの、2008年に起こったリーマンショックの直前まで、穀物や小麦、原油価格の急騰っぷりは凄まじかったため、ある程度の値上げやステルス値上げは致し方ないんですけどね。

だがな、2008年9月に起こったリーマンショックでは、株価のみならず穀物や原油などの商品価格も急落したんだが…クラフト スライスチーズの内容量が増えたり値下げされたりすることは一切なかった。

まあ、これは森永乳業のみならず、すべての食品メーカーに言えることだが。

そんな状況を“だんまり”で乗り切った森永乳業、アベノミクスなどで景気が上向きだした2014年に、原材料価格などの高騰を理由に、それまでの8枚から7枚にステルス値上げ。

その後、2018年380円、2022年4月に400円へ値上げし、半年後となる同年10月には内容量を112gに減量したうえで420円へと値上げ。さらに2023年4月445円、2025年4月には475円へ値上げ。もうやりたい放題ですよ。

2004年時点の180g・300円を基準にすると、内容量38%減、価格は58%値上げ…1gあたりの単価に直すと、2004年当時は1gあたり1.67円、現在は4.24円と2.5倍超になった計算に。約20年で2.5倍の値上げって、もはや狂気を感じるレベル。

はっきり言ってさぁ、溶け具合や食感に差がでそうなとろけるチーズならまだしも、一般的なスライスチーズなどのクセがなく平凡なプロセスチーズって、どのメーカーも味なんてほとんど変わらないんだよね。

少なくとも貧乏舌の私には大手メーカーのスライスチーズと、あまり聞いたことがないメーカーのノーブランドスライスチーズの味の違いはまったく分からない。

そんな状況において、わざわざ割高な森永乳業のクラフト スライスチーズを買う理由ってなんなんだろう?

  • 俺には違いが分かる
  • 大手メーカー製だから安心
  • 価格が高い大手メーカー製のほうが美味しいに決まっている
  • 価格が安いノーブランドなどまずいに決まっている
  • 安物を買うような人間にはなりたくない
  • 安物を買うような人間だと思われたくない
  • クラフト スライスチーズ以外を食べると蕁麻疹
  • クラフト スライスチーズ以外を食べると宅麻伸
  • モリナガー

…このあたりか。

まあ、なんだかんだ言っても業界で1、2を争う森永乳業のクラフト スライスチーズはものすごく売れているのだろう。やっぱり森永乳業のブランド力と、それに起因する安心感は侮れないよね。

…森永乳業とトップ争いをしている雪印は、腐った牛乳売ったり外国産牛肉を国産に偽装したりとやりたい放題だったけどね。

繰り返される値上げとステルス値上げにより、20年で2.5倍超の価格になってしまったクラフト スライスチーズ。もはや私には無縁の商品であるため、今日も「1g=1円」以下の激安スライスチーズを探し回る。(見切り品含む)

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