クラフト 細切りチーズの値上げ・実質値上げ情報

クラフト 細切りチーズの値上げ・実質値上げ情報
メーカー 森永乳業株式会社
商品名 クラフト 細切りチーズ
内容量 120g
希望小売価格 330円(税別)
原材料 ナチュラルチーズ/セルロース、(一部に乳成分を含む)
栄養成分
(100g当たり)
エネルギー 390kcal
たんぱく質 24.5g
脂質 30.9g
炭水化物 3.4g
食塩相当量 1.8g
発売日 1995年10月

価格・内容量推移
年月日 内容量 希望小売価格(税別)
1995年10月~ 200g 300円
2004年3月時点 200g
100g
200g:340円
100g:200円
2007年9月~ 200g
100g
200g:370円
100g:220円
2008年3月~ 180g
90g
180g:400円
90g:240円
2008年9月~ 160g
80g
160g:400円
80g:240円
2009年9月~ 250g
160g
80g
250g:500円
160g:400円
80g:240円
2010年3月~ 160g
80g
160g:285円
80g:190円
2012年3月~ 240g
160g
240g:380円
160g:285円
2014年3月~ 210g
140g
210g:380円
140g:285円
2018年5月~ 120g 285円
2022年4月~ 120g 315円
2022年10月~ 100g 330円
2023年4月~ 100g 355円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
300円→340円 不明
340円→370円 輸入原料チーズ価格の高騰や、円安などのコスト上昇に対し、企業努力だけでの吸収が限界に達したため。
200g→180g
370円→400円
原料であるチーズ高騰のため2007年9月に価格改定を実施したが、前回を上回る外部環境の激変と、原料チーズを取り巻く一層の厳しい環境が今後も予想されることから。
180g→160g 世界的な乳製品の需要拡大や生乳生産量低下により輸入原料チーズなどの相場が著しく高騰の一途を辿り、また原油価格の高騰による資材価格やエネルギーコストの上昇が続いているため。
250g500円追加販売 用途に合わせて3つのサイズを用意し、ますます便利になった。
400円→285円 お買い求めやすい価格でリニューアル。パッケージの表面には、季節にあったメニュー写真を掲載。
240g発売、80g販売終了 余熱で溶けやすく、未加熱でも食べられる「クラフト 細切りチーズ240g」を新発売。
160g→140g 世界的な乳製品需要の増加、為替相場の影響などにより、輸入原料チーズの価格は高値推移が続き、また為替・穀物相場の情勢に起因する飼料価格高騰やエネルギーコスト上昇が限界を超えたため。
140g→120g 世界的な乳製品需要の大幅増加の影響を受け、輸入原料チーズの価格は高値推移の状況が継続すると見られ、自助努力によるコスト低減が限界を超えると判断。
285円→315円 中国をはじめとする世界的な乳製品の需要拡大による原料チーズの価格高騰に加え、原油価格の高騰による包装資材、物流コストの上昇により、企業努力のみのコスト吸収が限界を超えたため。
120g→100g
315円→330円
世界的な需要の増加や生産国における天候不順などの影響を受け、輸入乳原料、油脂類、野菜の価格は大幅に高騰。企業努力のみのコスト吸収では限界を超える水準になったため。
330円→355円 原材料および包装資材の価格やエネルギーコストが上昇、人手不足の深刻化による人件費や物流費も高騰しており、安全・安心な商品を供給していくため価格改定。

参考サイト
公式サイト 森永乳業株式会社
1995年 200g 300円 日本食糧新聞
2004年 200g 340円 森永乳業 ニュースリリース
2007年 370円に値上げ 日本食糧新聞
2008年 180g400円に大幅値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2008年 160gにステルス値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2009年 250g500円追加販売 食@新製品
2010年 285円に大幅値下げ 森永乳業 ニュースリリース
2012年 240g発売、80g販売終了 森永乳業 ニュースリリース
2014年 140gにステルス値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2018年 120gにステルス値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2022年4月 315円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2022年10月 100g・330円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2023年 355円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース

クラフト 細切りチーズの値上げ解説

スーパーなどで見かける“とろける系”のシュレッドチーズより、さらに細かく刻んである、森永乳業の「クラフト 細切りチーズ」。後のせでもとろける利便性はもちろん、そのまま食べても美味しいという点が美点の商品。

このクラフト 細切りチーズ、他の森永のチーズに比べ紆余曲折を経ている印象がある。発売されたのは1995年。当時は200g入りで税別300円となっていました。

これが2004年時点で340円まで値上げされており、いつの間にか200円の100g入りも追加されていた。100gは若干の割高感はあるものの、「200gも使いきれない」という人にとってはありがたい存在だったのでしょう。

2007年9月、200g入りが370円、100g入り220円に値上げされ、6ヶ月後の2008年3月には、200gが180g、100gが90gに減らされたうえに、180g入りの価格は370円から400円に、90gは220円から240円へと大幅値上げ。

内容量を10%減らしたうえに8.1~9.1%の値上げとは、森永乳業様も容赦がない。まあ、この時スライスチーズは内容量を20%減らされているので、仕方ないのかもしれんが…と、納得したら負けですよ。

さらに6ヶ月後となる2008年9月には、180g入りを160gに、90g入りを80gに減らすステルス値上げを実施。2007年8月まで200g340円だったものが、たった1年で160g400円になったわけだ。凄まじいよね。

その後2009年に250g入り(500円)の追加を経て、2010年3月、突如として大幅な値下げが行われます。160g入りは400円から285円に、80g入りは240円から190円に。どうした森永、悪いものでも食べたのか?

前年にあたる2009年ってリーマンショックの影響により、国際的に乳製品価格や原油価格などが暴落した時期。そういった背景から値下げに踏み切ったのかな?

でも、森永乳業の主要なチーズで値下げされたのは細切りチーズだけだけどな。原材料価格の下落に加え、あんまり売れていなかった…といのが実情か?

2012年には、いつの間にか消えていたっぽい250gに代わり380円の240gが追加され、80gがラインナップから消える。大幅値下げを行い、実質的に160g入りの1.5倍の価格となってしまった80gの存在意義は失われた…といったところか。

2014年、チーズなど原材料価格の高騰などを理由に、240g入りは210gに、160g入りは140gにステルス値上げ。もちろん価格は据え置きですよ。

2018年には、140g入りを120gとするさらなる実質値上げが行われます。ちなみにこの時点で210gの存在は消え、ラインナップは120gのみに。

迷走感ハンパない。

そして2022年4月には、それまでの285円から315円に値上げされ、追い打ちをかけるように2022年10月、内容量を20g減らし100gとしたうえで価格を330円に値上げ、2023年6月には355円に値上げします。

1995年の発売時には200gで300円だった細切りチーズも、今や100gで355円ですよ。スライスチーズなどもそうだが、チーズの値上がりっぷりはちょっと異常だよね。バブル崩壊後の30年間、給料はほとんど増えていないというのに。

この細切りチーズ、熱い食べ物に乗せればいい具合に溶けてくれるし、サラダなど冷たい食べ物に乗せれば、いいアクセントになるなど、実際に使ってみれば“熱を加えてなんぼ”のとろける系シュレッドチーズより汎用性が高いことが分かる。

んが、商品としては結構マイナー。なんかこう、中途半端なんだろうね。

粉チーズほど主張しないし、シュレッドチーズほど「とろける」に特化しているわけでもない。どんなシーンでも使える一方で、どの状況でも細切りチーズより最適な商品が存在する、器用貧乏の典型商品。

「何でも屋」に通じる胡散臭さを感じるな。

しかも近年のモッツァレラ人気を背景に、2015年に発売された姉妹品「細切りモッツァレラ」の陰に隠れてしまっている印象も。

あると便利だが、なくても困らないクラフト 細切りチーズ。これからもその中途半端な立ち位置を貫いていってほしい。…私は買わんけど。

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