ポールウインナーの値上げ・実質値上げ情報
メーカー | 伊藤ハム株式会社 |
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商品名 | ポールウインナー(ロイヤルポールウインナー) |
内容量 | 290g |
参考小売価格 | 620円(税込) |
原材料 | 畜肉(豚肉(輸入又は国産(5%未満))、マトン、牛肉)、豚脂肪、結着材料(でん粉、植物性たん白、卵たん白)、魚肉(たら)、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、脱脂粉乳、香辛料/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na、K)、くん液、発色剤(亜硝酸Na)、赤色102号、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・豚肉を含む) |
栄養成分 (1本29gあたり) |
エネルギー 76kcal たんぱく質 4.0g 脂質 5.5g 炭水化物 2.7g 食塩相当量 0.7g |
発売日 | 1934年 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税込) |
2003年時点 | 35g×10本 | 550円 |
~2006年6月 | 33g×10本 | 550円 |
2006年7月~ | 31g×10本 | 550円 |
2013年7月~ | 29g×10本 | 550円 |
2022年3月~ | 29g×10本 | 4~12%値上げ (570円) |
2022年10月~ | 29g×10本 | 3~30%値上げ(590円) |
2023年4月~ | 29g×10本 | 5~20%値上げ(610円) |
2023年10月~ | 29g×10本 | 5~15%値上げ |
2024年4月~ | 29g×10本 | 2~25%値上げ(620円) |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
350g→330g | なし |
330g→310g | ここ数年の豚肉や乳製品などの原材料や原油の価格高騰のなかコスト吸収に努力してきたが、すでに品質維持の限界に達しているため商品規格および価格改定。 |
310g→290g | 主原料である豚肉や鶏肉などの価格高騰や円安、電力やガス等の値上がりが今後も継続される見通しであり、それらコスト高を吸収し品質を維持することが困難な状況であるため。 |
2022年3月 4~12%値上げ |
加工食品の原料や補助原材料の価格が高騰しており、今後も上昇することが見込まれる。また、燃料価格上昇によるエネルギーコストや資材品費用、物流費や労務費の上昇により値上げを実施。 |
2022年10月 3~30%値上げ |
世界的な食料需給逼迫や不安定な国際情勢を背景にインフレや円安が進行。畜肉や補助原料である小麦、チーズ等の価格高騰が継続しており、今後もさらに上昇することが見込まれるため。 |
2023年4月 5~20%値上げ |
昨今の原材料費、エネルギーコスト、包材費、物流費の上昇に加え、原材料原産国での堅調な需要環境から主原料の価格が高止まりしているため、納品価格の改定および商品規格の変更。 |
2023年10月 5~15%値上げ |
昨今のエネルギーコストや物流費の上昇に加え、ハム・ソーセージおよび調理加工食品の原材料価格の高騰が依然として継続、自助努力だけではコスト上昇分の全てを吸収することは困難に。 |
2024年4月 2~25%値上げ |
原材料価格の高騰が依然として継続している状況に加え、人件費及び物流費の上昇も続いており、自助努力だけではコスト上昇分の全てを吸収することが極めて困難な状況に至ったため。 |
2024年10月 3~20%値上げ |
原材料価格がいっそうの高騰を続け、人件費及び物流費の上昇も継続。このような厳しい環境の中、効率化・合理化等の企業努力を続けてきたが、自助努力だけでのコスト吸収が困難な状況に。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 伊藤ハム株式会社 |
2003年 350g | 伊藤ハム ニュースリリース |
2006年 330g→310gの記載 | 伊藤ハム ポールウインナー掲示板 |
2006年 310gに実質値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2013年 290gに実質値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2022年3月 4~12%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2022年10月 3~30%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2023年4月 5~20%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2023年10月 5~15%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2024年4月 2~25%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2024年10月 3~20%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
ポールウインナーの値上げ解説
伊藤ハムといえばアルトバイエルンやポークビッツなどが広く知られているが、伊藤ハム最古の商品にして現在も安定した人気を誇っている(関西のみ)のが1934年発売の「ポールウインナー」です。
あまりにも昔からある商品であるため昭和の頃の価格や内容量は不明。1970~1980年頃は10本入で350円くらいだったという情報もありますが、確証を得られないためここでは割愛しています。
確認できる限り、2003年時点でのポールウインナーの内容量は35g×10本の計350g、価格は税込550円。オープン価格であるため確実なことは言えませんが、価格に関しては2021年までほとんど変わっていなかった模様。
しかしここから状況は大きく変わる。
2022年、伊藤ハムは幅広い商品を対象に2度値上げを実施し、2022年3月に4~12%、同年10月には3~30%の値上げ。これによりポールウインナーの価格は590円ほどに。
さらに2023年4月の値上げで約610円、2024年4月にも値上げを行った結果、現在の参考小売価格は620円ほどになっていると見られます。凄まじい値上げっぷりだな。
一方で内容量は結構減っている。
2003年時点では35g×10本の計350gだったものが、2004~2005年頃には33g×10本の計330gに減らされ、伊藤ハム商品の多くが値上げや実質値上げされた2006年7月には31g×10本の計310gへ。
さらに2013年7月になると、豚肉など原材料価格の高騰や、電力・ガス等エネルギー価格の高騰を理由に29g×10本の計290gになり現在に至っています。
290gで実勢価格350~450円というのは決して安くはない。まあ、同社のアルトバイエルンが117g×2袋で同価格帯なので、それに比べれば若干安く感じる程度か。
ところでこのポールウインナー、関西圏にお住まいの方であれば非常になじみ深い商品である一方、それ以外の地域に住んでいる人間にとっては「何それ?」というレベルの地域色が強い商品でもある。私もここで取り上げるまで知らんかった。
2015年の朝日新聞調べでは、近畿の2府4県だけで販売代金の93%を占めているとか。関西でしか売れていない、売っていないのは伊藤ハムの方針というわけではなく、幾度かそれ以外の地域にも販路を広げようとしたがことごとく失敗したらしい。
その理由について、関東などでは似たような形の商品として魚肉ソーセージが市民権を得ていたこと、ポールウインナーは魚肉ソーセージより割高だということなどが有力視されています。
確かに、魚肉ソーセージなら65g前後×4~5本あたりが200~250円くらいで売られているから、2倍ほどの価格となるポールウインナーが苦戦するのも致し方ないところか。見た目的には細い魚肉ソーセージにしか見えないし。
ただ、中部以東でも「ポールウインナーが食べたい!」という人が一部存在するようで、伊藤ハムのポールウインナー掲示板で「○○の店で見た」「□□県で売っているお店はないですか?」といった情報のやり取りが活発に行われている。
少しでも販路を広げようと、2019年には小さめのポールウインナー3本が入った「ポールウインナーミニ3本入り」を全国で発売。とにかく一度食べてもらって美味しさに気付いてほしいという願いが込められているのだろう。
ちなみに内容量は19g×3本の計57gで希望小売価格は税込127円。…普及させたいんだったらもうちょっと頑張れよと言いたい気もしなくもない。ま、せっかくだからスーパーで目にすることがあったら一度買ってみよう…とは思わないだろうな。
伊藤ハムの歴史そのものと言っても過言ではないポールウインナー。
とはいえ、なんだかんだいってガンガン実質値上げして消費者の購買意欲を削いでいるのを鑑みるに、全国の小売店でその姿が見られるようになる日は未来永劫訪れないかもしれない。