伊藤ハム パルキーのステルス値上げ情報
メーカー | 伊藤ハム株式会社 |
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商品名 | パルキー |
内容量 | 50g |
参考小売価格 | 160円(税込) |
原材料 | 鶏肉(国産又は輸入)、豚脂肪、豚肉、結着材料(植物性たん白、でん粉、卵たん白)、糖類(水あめ、ぶどう糖、砂糖)、食塩、脱脂粉乳、香辛料/炭酸カルシウム、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
栄養成分 (50gあたり) |
エネルギー 145kcal たんぱく質 5.9g 脂質 12.2g 炭水化物 2.9g 食塩相当量 1.1g |
発売日 | 1974年 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税込) |
1978年時点 | 150g | 不明 |
2003年6月時点 | 85g | 不明 |
2012年時点 | 65g | 120円 |
2013年7月~ | 59g | 120円 |
2014年7月~ | 50g | 120円 |
2022年3月~ | 50g | 4~12%値上げ(130円) |
2022年10月~ | 50g | 3~30%値上げ(140円) |
2023年4月~ | 50g | 5~20%値上げ(150円) |
2023年10月~ | 50g | 5~15%値上げ |
2024年4月~ | 50g | 2~25%値上げ(160円) |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
85g→65g | 不明 |
65g→59g | 主原料である豚肉や鶏肉などの価格高騰や円安、電力やガス等の値上がりが今後も継続される見通しであり、それらコスト高を吸収し品質を維持することが困難な状況であるため。 |
59g→50g | 主原料である豚肉や鶏肉、牛肉の価格高騰が止まらず、電力やガスなどユーティリティ費用も値上がる見通し。補助材料価格や副資材価格も高い水準で推移し経営を圧迫しているため。 |
2022年3月 4~12%値上げ |
加工食品の原料や補助原材料の価格が高騰しており、今後も上昇することが見込まれる。また、燃料価格上昇によるエネルギーコストや資材品費用、物流費や労務費の上昇により値上げを実施。 |
2022年10月 3~30%値上げ |
世界的な食料需給逼迫や不安定な国際情勢を背景にインフレや円安が進行。畜肉や補助原料である小麦、チーズ等の価格高騰が継続しており、今後もさらに上昇することが見込まれるため。 |
2023年4月 5~20%値上げ |
昨今の原材料費、エネルギーコスト、包材費、物流費の上昇に加え、原材料原産国での堅調な需要環境から主原料の価格が高止まりしているため、納品価格の改定および商品規格の変更。 |
2023年10月 5~15%値上げ |
昨今のエネルギーコストや物流費の上昇に加え、ハム・ソーセージおよび調理加工食品の原材料価格の高騰が依然として継続、自助努力だけではコスト上昇分の全てを吸収することは困難に。 |
2024年4月 2~25%値上げ |
原材料価格の高騰が依然として継続している状況に加え、人件費及び物流費の上昇も続いており、自助努力だけではコスト上昇分の全てを吸収することが極めて困難な状況に至ったため。 |
2024年10月 3~20%値上げ |
原材料価格がいっそうの高騰を続け、人件費及び物流費の上昇も継続。このような厳しい環境の中、効率化・合理化等の企業努力を続けてきたが、自助努力だけでのコスト吸収が困難な状況に。 |
参考サイト | |
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公式サイト | 伊藤ハム株式会社 |
1978年 150g | 1978年当時のパッケージ画像 |
2003年 85g | 伊藤ハム 商品紹介 |
2012年 65g | サンライフ チラシ |
2013年 59g | サンライフ チラシ |
2014年 50gにステルス値上げ | サンライフ チラシ |
2022年3月 4~12%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2022年10月 3~30%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2023年4月 5~20%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2023年10月 5~15%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2024年4月 2~25%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
2024年10月 3~20%値上げ | 伊藤ハム ニュースリリース |
パルキーの値上げ解説
伊藤ハムの皮なしソーセージ「パルキー」は、少ない内容量ながら安価な価格が功を奏してか一定の支持を得ているロングセラー商品。ありていに言えば1966年に発売された日本ハム「ウィニー」のパクリ。
小さめの皮なしソーセージという性質上、同社のポークビッツと比較されがちですが、ポークビッツが1本約3.4gなのに対し、パルキーは1本約7.1gと2倍以上の大きさとあって食べ応えはパルキーに軍配が上がる。
そんなパルキー、現在でこそ1袋50gと少ないものの、2003年時点では85gも入っていました。それでいて価格は100円そこそこだったのだからいい時代だった。現在71gのポークビッツもこの頃は115gだったからね。
伊藤ハムの中でもパルキーはそれほど売れ筋ではないこともあり情報が少なく、2003年以後に実質値上げが行われ内容量減が確認できたのは2012年の65gということに。
ポークビッツなど細かな実質値上げを繰り返す伊藤ハムの手法を見るに、パルキーも85gから段階的に65gへと減らされた可能性が高いのですが…とにかく情報が出てこないため内容量の詳細な推移を調べることは断念。
2013年には豚肉や鶏肉といった原材料価格、エネルギー価格の高騰を口実に59gへとステルス値上げ。翌2014年7月にもまったく同じ理由により50gへと減らし現在に至ります。
さすがにこれ以上は減らせないと考えたのか、それ以降は値上げに舵を切る。
新型コロナウイルスによる景気低迷からの脱却が顕著になり、ロシアのウクライナ侵攻も相まって世界的に物価が急激に上昇した2022年以降はまさに怒涛の値上げ。
2022年3月にそれまでの120円から130円に値上げしたのを皮切りに、2022年10月に140円、2023年4月150円、そして2024年4月には160円だよ。
参考小売価格160円、実勢価格100~130円程度と、ソーセージとしては安価とはいえ、小さめの皮なしソーセージが7本しか入っていないと考えると…
同社のグランドアルトバイエルン2個束(117g×2袋)がセール時に298円くらいで買えることを考えると、50gで実勢価格100~130円のパルキーはむしろ割高と言っていい。まあ、この2つはそもそものターゲットが違うのだろうが。
さて、ここまであえて触れなかったが、パルキーが発売されて間もない1978年当時、内容量は150gもあり、1本1本の長さも現在の2倍以上はありそう。1990年くらいのものと思われる右のパルキーもそれなりの量が入っています。
アグネスチャンの笑顔が眩しい昔のパルキーは、現在の「小さい皮なしソーセージが少量入った商品」ではなく、「オーソドックスな大きさと内容量の皮なしソーセージ」というコンセプトだったのかもしれない。
CMもそれなりに流されていたし、かつては伊藤ハムを支える人気商品の一角だったのだろう。現在ではコンセプトの変更や徹底的な実質値上げ、様々な人気商品の台頭により存在感は薄れる一方だが…
また、ちょっと気になった点として、昔のパルキーの原材料は「豚肉、鶏肉、結着材料…」の順で表示されていました。しかし現在は「鶏肉、豚脂肪、豚肉、結着材料…」の順。
重量が多いものから掲載するというルールからいくと、昔は豚肉がメイン、現在は鶏肉メインということに。味の好みはさておき、ソーセージは豚肉の割合が多い方が美味しくなるというのが一般的。
内容量の減少のみならず、こういった原材料においても「ステルス値上げ」といえるのかもしれない。
なんかこう…こだわりやポリシーに乏しい商品だなという印象。