モナ王の値上げ・実質値上げ情報

モナ王の値上げ・実質値上げ情報
メーカー 株式会社ロッテ
商品名 モナ王
内容量 160ml
参考小売価格 170円(税別)
原材料 砂糖、乳製品、植物油脂、モナカ(卵・小麦を含む)、水あめ、デキストリン/加工でん粉、乳化剤(大豆由来)、安定剤(増粘多糖類)、膨張剤、香料、甘味料(アセスルファムK)、着色料(クチナシ、アナトー)
栄養成分
1個(160ml)
エネルギー 257kcal
たんぱく質 4.3g
脂質 11.7g
炭水化物 33.3g
食塩相当量 0.19g
発売日 1996年3月

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
2001年時点 180ml 100円
2007年3月~ 160ml 100円
2008年3月~ 160ml 120円
2015年3月~ 160ml 130円
2019年3月~ 160ml 140円
2022年7月~ 160ml 150円
2023年3月~ 160ml 160円
2024年9月~ 160ml 170円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
180ml→160ml ラクトアイスからアイスミルクへとグレードアップ。モナカの山を3つから8つに変更し食べやすさアップ。
2008年
100円→120円
乳製品および油脂類や果汁などの原料価格の高騰や資材価格の上昇が企業努力で対応できる範囲を超えたため。
2015年3月
120円→130円
新興国の経済発展による食糧需要の増大やエネルギーコストの上昇により、商品の原材料及び資材の価格が高騰しているため。
2019年3月
130円→140円
物流費や人手不足による人件費の高騰、一部原材料および包装資材価格の上昇による製造コストの上昇が自助努力で吸収可能な限界を超えたため。
2022年2月
ラクトアイス化
ぎっしりさがUPし、バニラのおいしさが進化した。口どけの良いモナカと満足感のあるバニラアイスとの一体感を味わえる。
2022年7月
140円→150円
近年、原材料や梱包資材の価格、物流コストの上昇が続いており、企業努力によるコスト上昇の吸収が困難な状況になったため、やむを得ず価格改定を実施。
2023年3月
150円→160円
引き続きアイスクリーム市場を取り巻く環境は、物流費や原材料、包装資材価格の上昇が続いており、企業努力によるコスト上昇分の吸収が限界を超えたため。
2024年9月
160円→170円
食品市場を取り巻く環境において、物流費の上昇、原材料・包装資材の価格高騰により製造コストの上昇が続いており、これ以上の企業努力によるコストアップ吸収が困難な状況に。

参考サイト
公式サイト 株式会社ロッテ
2001年 180ml 100円 日本食糧新聞
2007年 160ml 100円 日本食糧新聞
2008年 120円へ値上げ ロッテ ニュースリリース
2015年 130円に値上げ exciteニュース
2019年 140円に値上げ ロッテ ニュースリリース
2022年2月 ラクトアイスに実質値上げ YOUTH TIME JAPAN
2022年 150円に値上げ ロッテ ニュースリリース
2023年 160円に値上げ ロッテ ニュースリリース
2024年 170円に値上げ ロッテ ニュースリリース

モナ王の値上げ解説

アイスモナカ界の2大巨頭の一角であるロッテのモナ王。チョコモナカジャンボに対し「チョコなど邪道だ」と言わんばかりにバニラのみを詰め込んでいる姿勢にはある種の潔さを感じる。

確認できる範囲では2001年時点でのモナ王の内容量は180mlで価格は税別100円。「王」の名に恥じないコストパフォーマンスの高さである。

しかし2007年になって180mlだった内容量は160mlへ。価格据え置きであるため単純に考えれば“実質値上げ”と判断しそうなものの、このタイミングで「ラクトアイス」から「アイスミルク」へグレードアップしているから悩ましい。

それまでの「無脂乳固形分9.0%、植物性脂肪分9.0%」から「無脂乳固形物9.0%、乳脂肪分3.0%、植物性脂肪分6.0%」へと変更しアイスミルクになったことで濃厚さやコクが増したのは間違いないでしょう。

だからこの際180mlから160mlへの内容量減には目をつぶろうではないか。(何様)

問題はその後である。160mlへと内容量を減らした翌年2008年に、それまでの税別100円から120円へと大幅に値上げしたのです。モナ王に限らず、原材料価格の高騰を理由に多くのアイスが大幅値上げされる事態に。

その後も値上げは続き、2015年には130円、2019年140円、2022年150円、2023年160円、2024年9月には170円へと値上げ。180ml・100円とコストパフォーマンス抜群だったモナ王も、相次ぐ値上げで160ml・170円。かつてのコスパの高さは消え去ってしまった。

1mlあたりの単価で見てみると、2000年当時は1mlあたり0.555円で、現在は1.06円。つまり2007年の実質値上げから12年でモナ王は約2倍の価格になった計算。うんざりするね。

加えて、2022年にモナ王はアイスミルク規格からラクトアイス規格にグレードダウンさせている。

2022年、モナ王はアイスミルクからラクトアイスに実質値上げ

2007年にラクトアイスからアイスミルクへとグレードアップさせた際、その代償として180mlから160mlに減らしたというのに、2022年のグレードダウンでは内容量の変更はなし。事実上のステルス値上げよね。

ロッテ曰く「ぎっしりさがUPしバニラのおいしさが進化し、かつ口どけの良いモナカと満足感あるバニラアイスとの一体感を味わえる」とのこと。

「アイスクリーム=正義」「ラクトアイス=悪」とは言わないけどさぁ…乳脂肪分を減らした分植物性脂肪分を増やし「バニラが進化」と言われてもねぇ。

加えて、リニューアル前と後の栄養成分を比較してみるとカロリーが跳ね上がっているのが見て取れる。脂質と…特に炭水化物(糖質)がガッツリ増えているのだ。実際原材料もリニューアル後は砂糖が一番最初に記載されるようになった。

植物性脂肪分と砂糖で無理やり美味しさを演出した結果カロリーが跳ね上がる…明治のエッセル スーパーカップの超バニラと同じ流れだな。油と砂糖で強引に濃厚さを演出するというアレですな。スーパーカップは超バニラだけ脂質が凄まじいからね。

まあそれを言ったら種類別アイスクリームは総じて脂質が多いんだけどね。乳脂肪分15%のハーゲンダッツ バニラなんて内容量たった110mlなのに脂質は16.3g。でもそれが乳脂肪分だからこそ許されるわけで、植物性脂肪分だと一気に抵抗感が増す。

で、改めてモナ王は「アイスモナカの王様」と呼べるのか考えてみる。

前述の通りアイスモナカはロッテのモナ王と森永製菓のチョコモナカジャンボの2強状態。純粋なバニラのみのモナ王に対し、チョコモナカジャンボはモナカの内側をチョコでコーティングし、しかもバニラ内部に板チョコまで入っている。

ちなみにモナカ部分も大きく異なる。モナ王がしっとり柔らかなのに対し、チョコモナカジャンボはバニラの水気をチョコレートでガードしていることもありパリパリなのだ。このへんは好みが分かれるところ。

内容量はモナ王160mlに対しチョコモナカジャンボは150mlで価格はどちらも170円。種類別アイスミルクという点も同一…だったのだが、前述の通りモナ王は2022年にラクトアイスへとグレードダウンしている。

内容量的にはモナ王の方が10ml多いものの、チョコレートをふんだんに使い、作りも凝っているうえ種類別アイスミルクであるチョコモナカジャンボの方が明らかにお得感がある。

バニラのみのアイスモナカが食べたい、チョコがあまり好きではないといった特段の理由がなければ、チョコモナカジャンボを手に取る人が多いかと。チョコ好きの私がチョコモナカジャンボを選ぶ確率に至っては1億万%ですよ。

ただ、モナ王の比較対象としてチョコモナカジャンボはちょっと違う気もする。なぜならチョコモナカジャンボには、姉妹品でかつバニラがメインの「バニラモナカジャンボ」があるから。モナ王バニラの純粋な対抗馬はこっちだろう。

で、モナ王とバニラモナカジャンボを比較すると、価格は同じ、内容量はモナ王160mlに対しバニラモナカジャンボは150ml。一見するとモナ王に軍配が上がりそうではある。

しかしもうちょっと詳しく見てみると、バニラモナカジャンボはチョコモナカジャンボ同様モナカの内側をチョコレートでコーティングしている。ホワイトチョコだから目立たないが、これによりパリパリのモナカを実現。

また、モナ王は乳脂肪分0.8%に植物性脂肪分8.5%の種類別ラクトアイスであるのに対し、バニラモナカジャンボは乳脂肪分8.0%の種類別アイスクリーム。どう考えてもバニラモナカジャンボの方が格上。「王」が聞いて呆れる。

モナ王とバニラモナカジャンボの成分比較

とはいえ、ラクトアイスの方があっさりしていて好きという人もいるだろうし、モナ王のしっとり系モナカが良いという意見もあるでしょう。一般的な価値観や客観的な数字だけで見れば「バニラモナカジャンボの方がお得感がある」というだけの話。

内容量減や実質値上げが相次ぎずいぶん高くなってしまったモナ王だが、大手メーカーのアイスモナカの中においては価格に対し最も量が多い点は変わらない。その点に関しては「王」と言えるだろう。

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