パナップの値上げ・ステルス値上げ情報

グリコ パナップの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー 江崎グリコ株式会社
商品名 パナップ
内容量 155ml
参考小売価格 150円(税別)
原材料
(グレープパフェ)
グレープソース、乳製品、砂糖、植物油脂、水あめ/安定剤(増粘多糖類)、香料、酸味料、乳化剤、リン酸カルシウム、(一部に乳成分を含む)
栄養成分
1個(155ml)
エネルギー 188kcal
たんぱく質 3.1g
脂質 7.5g
炭水化物 27.1g
食塩相当量 0.1g
発売日 1978年

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
1978年~ 不明 100円
1983年頃~ 不明 120円
1988年頃~ 不明 100円
1997年時点 190ml 100円
2005年時点 170ml 100円
2008年3月~ 160ml 120円
2010年3月~ 153ml 120円
2015年3月~ 155ml 130円
2019年3月~ 155ml 140円
2022年9月~ 155ml 150円
2023年3月~ 155ml 160円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
190ml→170ml 氷結フルーツソースの比率を40%増量し、ソースとアイスのハーモニーを改良。
100円→120円
170ml→160ml
原油価格の高騰により原材料、梱包資材などの副原料や輸送費が上昇しているため。
160ml→153ml アイスとソース、ホワイトチョコが層状に入れられ、ミルフィーユのようなパリパリ食感が楽しめる。新たに便利でかわいいフタがついた。
120円→130円 製品の主原材料である乳製品、チョコレート、油脂、包装資材価格の上昇は企業努力の範囲を超え、製品価格の維持が難しい状況となったため。
130円→140円 原材料価格や物流コストが軒並み上昇する中、コスト吸収が極めて困難な状況に達し、今後も商品の高い品質を維持するため。
140円→150円 原材料価格は軒並み上昇しており、増加したコストを経営の合理化や効率化で吸収するのは極めて困難な状況となったため。
150円→160円 原材料価格ならびにエネルギーコストは上昇しており、増加したコストを経営の合理化や効率化で吸収するのは極めて困難な状況に。品質を維持するため、価格改定ならびに内容量変更を決定。

参考サイト
公式サイト 江崎グリコ株式会社
1997年 190ml 100円 日本食量新聞
2005年 170ml 100円 日本食量新聞
2008年 160ml 120円 アイスクリームファン
2010年 153ml リニューアル 日本食糧新聞
2015年 130円に値上げ グリコ プレスリリース
2019年 140円に値上げ グリコ プレスリリース
2022年 150円に値上げ グリコ ニュースリリース
2023年 160円に値上げ 江崎グリコ ニュースリリース

グリコ パナップの値上げ解説

現存するグリコのアイスの中でも長い歴史を誇る「パナップ」。パピコ同様子供の頃によく食べたという人も多いのではないでしょうか。

パナップが発売されたのは1978年。内容量は不明ながら価格は100円となっていました。しかし1983年頃には120円に値上げされており、その後1988年頃には再び100円に戻るという迷走っぷり。その間内容量はどうなっていたのだろう?

昔のパナップは100円→120円→100円に

さて、これからが本題。

私が調べた限り、内容量と価格が確認できる最古のものは1997年の190ml入り100円というもの。現在は155ml入りとなっているので、「昔に比べてパナップ減ったな~」と感じている人は正しい感覚の持ち主といえる。

2005年頃には価格を据え置いたまま170mlへとステルス値上げされ、様々なアイスが大幅に値上げされた2008年には内容量を160mlに減らす一方で価格を120円に値上げ。容赦ない。

そして2010年、120円という価格はそのままに内容量を153mlに減らすステルス値上げを実施。どこまで減らせば気が済むんだよという話である。ただ、大幅なリニューアルを伴ったものなので、単純なステルス値上げとは言い難い。

ここでの変更は、従来の縦に4本入れていたソースを横の層状へと変更し、加えてホワイトチョコレートの層も追加。これによりパリパリの食感とチョコの甘さが絡まった独特のハーモニーを生み出すことに。

さらに、これまでペリペリ剥がす紙製(?)の蓋のみだった上部にプラスチックの立体的な蓋を装着することで、マウントレーニアなどカフェラテ系コーヒーのような見た目に。思わずストローを刺したくなる形状。

パナップ、2010年に大幅リニューアル

衛生面への配慮なのかな? 内容量的には7ml減ったとはいえ、パリパリのチョコレートが追加された点を考慮すれば十分納得できるものかと。プラスチックの蓋は別にいらんがな。

し・か・し、2015年になるとチョコレートの層がなくなりソースのみに。

2014年に「昔の縦ソース入りパナップと、現行のミルフィーユパナップ、どっちが好きか」という新旧パナップ対決があり、結果旧パナップが僅差で勝利したため、これを理由にチョコレート層を廃止したのかもしれない。

だがな、もし本当に旧パナップへの回帰を考えるなら縦ソースまで戻るべきだよね。層状のソースはそのままにチョコレート層だけが無くなった形を見るに、「対決結果の反映という“体”で、結局はコストダウンだろ」と考えてしまう。

ちなみに、チョコレート層が廃止された2015年には130円に値上げする一方で、従来の153mlから155mlへのセコイ増量がなされている。130円への値上げ、かつチョコレート層廃止という実質値上げの代わりに2ml増やしました的な?

そして2019年に140円、2022年150円、2023年3月には160円に値上げ…ソースが入っただけのラクトアイスに逆戻りしたパナップが155ml160円…コスパは決して高くない。

久しぶりにパナップを目にした時ビックリするくらい小さくなっていて、「パナップミニなのか?」と感じるレベルだからね。これならスーパーカップ 超バニラに好みのジャムをかけて食べたほうが幸せになれそう。

パナップが歴史あるアイスなのは間違いない。しかし、値上げや実質値上げを行いながらもひたすら質を高めるアイスがある一方で、パナップは値上げと迷走ばかりで質が高まったようには見えない。

歴史と知名度に胡坐をかいている…そんな印象になるか。

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