レディーボーデン ミニカップの値上げ情報

レディーボーデン ミニカップの値上げ情報
メーカー 株式会社ロッテ
商品名 レディーボーデン ミニカップ
内容量 120ml
参考小売価格 200円
原材料
(バニラ)
乳製品、砂糖、水あめ/乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、香料、着色料(野菜色素、カロチン、アナトー)
栄養成分
1個(120ml)
エネルギー 182kcal
たんぱく質 2.8g
脂質 11.3g
炭水化物 17.4g
食塩相当量 0.084g
発売日 2005年3月

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
2005年3月~ 120ml 150円
2019年11月~ 120ml 160円
2021年頃~ 120ml オープン価格
2022年6月~ 120ml 180円
2024年3月~ 120ml 200円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
150円→160円 なし
160円→180円 近年、原材料や梱包資材の価格、物流コストの上昇が続いており、企業努力によるコスト上昇の吸収が困難な状況になったため、やむを得ず価格改定を実施。
180円→200円 引き続きエネルギーコストの上昇に伴う物流費高騰や人手不足による人件費の上昇、多くの原材料・包装資材の価格高騰が続いており、やむを得ず価格改定および内容量変更を実施。

参考サイト
公式サイト 株式会社ロッテ
2005年 120ml 150円 日本食糧新聞
2019年 120ml 160円 ロッテ ニュースリリース
2022年 180円に値上げ ロッテ ニュースリリース
2024年 200円に値上げ ロッテ ニュースリリース

レディーボーデン ミニカップの値上げ解説

現在、高級アイスの代名詞といえば「ハーゲンダッツ」ですよね。しかし昔は間違いなく「レディーボーデン」だった。子供時代や若い頃に470ml入りの「パイント」に心躍らせた人も多いことでしょう。

そんなレディーボーデンの食べきりサイズといえるのが「ミニカップ」です。

確認できる限りレディーボーデンのミニカップが登場したのは2005年。1990年代前半、ボーデンジャパンがレディーボーデンを販売していた頃にもミニカップが存在していたが、内容量と価格は不明なので割愛。

2005年に登場したミニカップ1個120mlというのは高級アイスのお株を奪われてしまったハーゲンダッツを意識してのものであることは想像に難くありません。

当時の価格は税別150円。その頃のハーゲンダッツ ミニカップが120ml入で税別250円ほどだったため、明治エッセルスーパーカップなどのラクトアイスに比べれば高級だがハーゲンダッツほど高くはない…という位置付けか。

しかしこのレディーボーデン ミニカップ、2005年の登場以来ずっと販売され続けたかというと、どうもそうではないらしい。

そもそもが中部地方限定での発売だったうえに、2007年頃には姿を消している。その後は85ml×2個の「デュエットパック」や85ml・100円の「大人のひととき」が食べきりサイズを受け継いだ形。

しかし2019年11月、突如としてミニカップが復活。内容量120mlに対し税別価格は160円であるため、「ブランク期間を経ての値上げ」といえなくもない。

なお、2021年頃からレディーボーデンミニカップはオープン価格に変更され、2022年6月には値上げを行います。オープン価格であるため、詳しい値上げ幅は分からないものの、想定価格は180円くらいか。

さらに2024年3月にも10%前後の値上げを行い想定価格は200円ほどに。

ただ、20年足らずで内容量が減り価格が100円から160円になった同社の爽や雪見だいふくなどの値上げっぷりを鑑みると、レディーボーデンは値上げを抑えている方…なのか?

さて、このレディーボーデン。ポジション的に何かとハーゲンダッツと比較される立場。ハーゲンダッツにも存在するミニカップの登場でさらに比較が激化することだろう。

味わいや香り、舌ざわり、のどごしなど5感に訴える要素はとりあえず排除し、乳脂肪分などアイスクリームとしての質のみに焦点をあてると、レディーボーデンのコストパフォーマンスの良さが光る。

とりあえず有名どころのバニラの脂肪分を見比べてみよう。

商品名 内容量 価格 無脂乳固形分 乳脂肪分 植物性脂肪分
レディーボーデン 120ml 200円 9.0% 14.0%
ハーゲンダッツ 110ml 325円 10.0% 15.0%
MOW 140ml 170円 9.0% 8.0%
牧場しぼり 120ml 170円 8.6% 8.2%
スーパーカップ 200ml 170円 8.5% 13.0%
190ml 170円 5.3% 6.6%

乳脂肪分を一切使わず、代わりに植物性脂肪分を使用している「種類別ラクトアイス」のスーパーカップや爽のあっさりした味や食感を好む人もいるでしょうが、レディーボーデンから見れば「アイスクリームっぽい何か」なので論外。

レディーボーデンとの比較対象になるのは最低でも「種類別アイスクリーム」となる乳脂肪分8.0%以上を使用した商品。

主要メーカーのアイスクリームの乳脂肪分が基準ギリギリなのに対し、レディーボーデンは14.0%とかなり多く濃厚なバニラやミルクが楽しめるのは言うまでもない。事実上2倍の価格であるハーゲンダッツに肉薄する数字である。

がしかし、食べ比べてみると濃厚さやコクには数字以上の大きな差が。安いアイスばかり食べている私としてはハーゲンダッツの濃厚さは過剰な気もしなくもないが、「高級感」「良い物を食べている感」はハーゲンダッツが上。

また、レディーボーデンは1980年代まで明治乳業(現株式会社明治)が製造していたものの、その後紆余曲折を経て1994年からロッテが製造するように。そしてロッテに代わってからのレディーボーデンの評判は決して芳しくない事実が。

明治とロッテのレディーボーデンのパッケージ

「昔の方が美味しかった」「明治の頃はハーゲンダッツ並みに濃厚だった」「100円アイスと同レベル」などなど、言われたい放題である。その真偽はさておき、明治時代のレディーボーデンの蓋は金メッキ調で高級感があったのは間違いない。

確かに「明治(旧明治乳業)とロッテ、どっちのアイスの方が美味しそう?」と問われれば、「明治」と即答するだろう。ロッテのアイス群の中で「種類別アイスクリーム」なのはガーナ濃厚チョコレートアイスくらいだし。

ただ、だからといってレディーボーデンが明治時代と比べ劣っているかどうかは別問題。ボーデン・デイリー社から製造方法の提供を受けているだろうし、明治とロッテでそんなに違うものなのだろうか?

本当に不味くなった可能性がある一方、思い出補正によって昔の明治のレディーボーデンが美化されている可能性も。ハーゲンダッツの登場で濃厚なアイスに慣れた結果、レディーボーデンに物足りなさを感じるようになったのかもしれない。

そのあたりは「個人の味覚」という曖昧なものが大きく影響するので明言は避けるが、レディーボーデンは値上げを最小限に抑え、かつハーゲンダッツに匹敵する乳脂肪分を誇るアイスである点は疑いようがない事実。

余裕がある人は、ハーゲンダッツ ミニカップとレディーボーデン ミニカップのバニラを購入し食べ比べてみるのも一興かと。

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