ビエネッタの値上げ情報

ビエネッタの値上げ情報
メーカー 森永乳業株式会社
商品名 ビエネッタ
内容量 530ml
参考小売価格 630円(税別)
原材料
(バニラ)
乳製品、チョコレート、卵黄、砂糖、洋酒/乳化剤、香料、安定剤(増粘多糖類)、カロテン色素、(一部に卵・乳成分・大豆を含む)
栄養成分
1本(530ml)
エネルギー 887kcal
たんぱく質 14.4g
脂質 60.7g
炭水化物 70.7g
食塩相当量 0.34g
発売日 1983年

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
1995年時点 500ml 500円
2004年時点 530ml 500円
2019年3月~ 530ml 550円
2022年12月~ 530ml 600円
2023年3月~ 530ml 630円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
500円→550円 物流費や人手不足による人件費の高騰、一部原材料および包装資材価格の上昇による製造コストの上昇が自助努力で吸収可能な限界を超えたため。
550円→600円 なし
600円→630円 原材料および包装資材の価格やエネルギーコストが上昇、人手不足の深刻化による人件費や物流費も高騰しており、安全・安心な商品を供給していくため価格改定。

参考サイト
公式サイト 森永乳業株式会社
1995年 500ml 500円 日本食糧新聞
2004年 530ml 500円 日本食糧新聞
2018年 550円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2022年 600円に値上げ コンビニアイスマニア
2023年 630円に値上げ 森永乳業 ニュースリリース

ビエネッタの値上げ解説

エスキモーのビエネッタ…この言葉を見聞きした時、多くの人はえも言われぬ懐かしさや望郷の念を感じたり、昭和の風景がフラッシュバックしたりするのではないでしょうか。

長い歴史を誇るアイスは数あれど、その多くはメーカーが時代に合わせてパッケージや規格を変え現代に溶け込ませていきます。しかしビエネッタは今でも昭和の香りが残り、驚くほど時間が止まっている印象。それは価格や内容量にも表れています。

確認できる範囲では、1995年時点のビエネッタは内容量500mlで税別500円。しかし2000年頃に価格を据え置いたまま内容量は530mlに増やされたようです。ステルス値下げですね。

その後長きにわたって530ml500円という規格を維持…というか“放置”と言ったほうが正しいか。あまり売れない商品だから放置したのか、それともこのパッケージにこだわりがあってあえて手を加えなかったのかは不明。

とはいえ、他のアイスがどんどん値上げ&実質値上げされる中ビエネッタだけ例外とするのには限界を感じたのか、2018年にそれまで税別500円から550円へと値上げします。

また、「さすがに値上げしなさすぎ」と感じたのか、2022年のリニューアルに合わせこっそり600円に値上げし、2023年3月からは630円に。それでも他のアイスに比べれば値上げ率はかなり控えめ。

ビエネッタは長きにわたりあまり手が加えられていないとはいえ、一応パッケージは変わっているし、バニラの味や製造方法も時代に合わせて変化しているらしいが…ほとばしる昭和感は拭えない。

ビエネッタの歴代パッケージ

ビエネッタといえば、1個500円という価格、高級感あふれる波うつ見た目、アイスケーキという特別感などから、かつては「高級でおいそれと手が出せないアイス」という印象でした。誕生日など記念日に食べられれば御の字。

しかし、値上げされたとはいえビエネッタは内容量530mlに対し価格は630円。かつては500ml500円だったわけですから、昔からその価値はそれほど変わっておらず、価格と内容量のバランスを考慮すると現在の状況では高級アイスとは口が裂けても言えない。

例えば同じ森永乳業が販売しているMOW(モウ)の現在の内容量は140mlで価格は税別160円です。1mlあたりの価格で考えると、ビエネッタと大衆向けのごく一般的なアイスであるモウはほぼ同じということに。

中価格帯となるパルムになると、1本入りが90ml160円、マルチパックは330ml510円とビエネッタより明らかに“高級”であることが分かる。え? ハーゲンダッツ? 比べるのもアホらしい。

一方でビエネッタは乳脂肪分を10.0%も使用している、文句なしの種類別アイスクリームなんですよね。モウやパルムの乳脂肪分はアイスクリームの基準ぎりぎりの8.0%だから、数字の上ではこれらより濃厚なバニラが味わえることになる。

それでいてこの価格…アイスクリームが高くなった現代においてはむしろコストパフォーマンスに優れるアイスという位置付けとすら感じる。

ただね、現在と違って昔はアイスが安かったため、相対的にビエネッタが高級であったのも間違いではない。前述のモウだって2003年の発売時は166ml100円だったんだからね。

つまり、ビエネッタがメーカーから放置プレイを食らっている間に他のアイスがガンガン値上げ&ステルス値上げされ、いつのまにか大衆向けアイスがビエネッタの価値に並び追い越してしまった…というのが実情。

そう、良くも悪くもビエネッタは昔のままなのである。

もはやプレミアムとはいえないビエネッタを森永乳業があえてそのままにしているのは、中途半端にプレミアム化するより、昔を懐かしんで食べてくれる層に訴えかけたほうが得策と見ているからか。

かつて羨望の的だった高級アイス「ビエネッタ」。内容量530ml、乳脂肪分10.0%のアイスクリームにもかかわらず実売価格350~450円ほどで購入できるのだから、昔を懐かしんで食してみるのも一興。

ただし、思い出補正が強すぎるとがっかりすること必至。

ビエネッタは間違いなく美味しいアイスクリームではあるものの、ハーゲンダッツやパルムなど濃厚かつ滑らかな絶品アイスが溢れる現代において、ビエネッタに思い出以上の“特別”を求めるのは酷だと思い知ることになる。

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