味わいソフトの値上げ・ステルス値上げ情報

味わいソフトの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー 森永乳業株式会社
商品名 味わいソフト(旧大盛ソフト)
内容量 160ml
参考小売価格 170円
原材料
(バニラ)
植物油脂(国内製造)、砂糖、乳製品、コーン、水あめ、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、食塩/乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、香料、アナトー色素、カロテン色素、(一部に乳成分・小麦・大豆を含む)
栄養成分
1個(160ml)
エネルギー 171kcal
たんぱく質 3.0g
脂質 8.1g
炭水化物 21.5g
食塩相当量 0.20g
発売日 不明

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
2001年時点 160ml 100円
2011年4月頃 160ml オープン価格
2023年3月~ 160ml 3.5~13.3%
出荷価格値上げ
2024年9月~ 160ml 170円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
100円→オープン価格 なし
ラクトアイス化 なし
2023年3月
3.5~13.3%
出荷価格値上げ
原材料および包装資材の価格やエネルギーコストが上昇、人手不足の深刻化による人件費や物流費も高騰しており、安全・安心な商品を供給していくため価格改定。
2024年9月
オープン価格→170円
なし

参考サイト
公式サイト 森永乳業株式会社
2001年 160ml 100円(大盛ソフト) 森永乳業 商品紹介
2011年 オープン価格化 森永乳業 商品情報
2023年 出荷価格値上げ 森永乳業 ニュースリリース
2024年 いきなり170円 森永乳業 商品紹介

味わいソフトの値上げ解説

比較的歴史が長いにもかかわらず、半分空気のような扱いを受けている森永乳業の「味わいソフト」。かつてはエスキモーブランドから「大盛ソフト」の名で販売されていましたが、2000年代前半に現在の味わいソフトに名称変更しています。

大盛ソフトから味わいソフトへ

なんで空気かって? 森永乳業のアイスクリームのヒストリーを見ても大盛ソフトや味わいソフトの発売には一切触れられておらず、また、リニューアルや新しいフレーバーの発売などもほとんど行われていないから。

親から見捨てられた可哀相な子供みたい…(涙)

直近20年ほどの間で味わいソフトの大きな変更といえば、2011年にそれまでの税別100円からオープン価格に変更されたことがひとつ。

他のパーソナルアイス(単品アイス)の多くが2008年に120円に値上げされる中、味わいソフトは100円を貫いていましたが、このオープン価格化が事実上値上げといっていいかと。

その後他のアイスが130円、140円と値上げされても、オープン価格である味わいソフトは表面上変化なし。しかし出荷価格や卸売価格は高くなっている可能性大でしょう。味わいソフトだけ安いという状況はちょっと考えられない。

パルムやピノ、MOWといった主要な170円アイスほどではないにしろ、想定小売価格100円のままということありえないだろう。実際味わいソフトの価格は他のアイス同様じわじわ値上がりしているしね。

多くのアイスが値上げされた2023年3月には、森永乳業のニュースリリースにおいて味わいソフトの出荷価格の値上げも発表。他のアイスとの実勢価格の差を見るに、想定小売価格は130~140円といったところでしょうか。

失礼ながら味わいソフトは「安物ソフトクリーム」という印象が強く、かつオープン価格ということもあり、これまで書いてきた通り「他のパーソナルアイスよりは若干安い価格だろう」と考えていた。

しかしな、森永乳業のパーソナルアイスが170円に値上げされた2024年9月、味わいソフトは突如オープン価格をやめた。そして示された希望小売価格は…170円!!

…マジデスカ?

まあそれはさておき、内容量に関しては一貫して160mlとなっています。もう変更するのも面倒くさいんだろうな。放置プレイも甚だしい。

しかし、内容量を減らさない代わりに、以前は乳脂肪分を3.0%以上使用する「種類別アイスミルク」だったものが、いつの間にか植物性脂肪分しか使用しない「種類別ラクトアイス」にグレードダウンしている。

味わいソフト、種類別アイスミルクからラクトアイスへ

少なくとも2012年頃まではアイスミルクだったことを確認。そして2016年頃にはラクトアイスになっている。この間にコスト削減が行われたのだろう。これも実質値上げといって差し支えないかと。

この味わいソフト、極めて平凡なソフトクリーム型アイスで、名前とは裏腹に味わい深さは皆無に等しい。濃厚さやコクに乏しいバニラやチョコアイスに、しなしなのコーン…絵に書いたような窓際社員。

時代に取り残された感のある味わいソフトを食べるくらいなら、内容量150mlで種類別アイスクリームのバニラモナカジャンボや、種類別アイスミルクの割に濃厚な味わいとサックサクのコーンが特徴のジャイアントコーンのほうが良いのでは…

ま、人は時にチープな味を求めるもの。普段からハーゲンダッツやパルムといった濃厚なアイスを食べ慣れている人にとって、たまに食べる味わいソフトの“ジャンク感”はある意味新鮮かと。

ちなみに私はどっちもいける口。濃厚かつコク深いアイスは確かに美味しいけれど、あっさりしたラクトアイスでも十分満足できる。ラーメン屋のラーメン、カップラーメンどちらにも別の美味しさが存在するのと同様に。

だからといってラクトアイスにグレードダウンした味わいソフトを擁護するつもりは毛頭ない。ラクトアイスを叩くつもりはないが、こっそりとグレードダウンするあたりに嫌悪感を覚える。

味わいソフトの良い点は2つ。価格が安いことと、内容量のわりにカロリーが低いこと。バニラモナカジャンボが150mlで260kcalほどあることを考えると、味わいソフトの160mlで170kcalは驚異的な低カロリー。

バニラアイス自体がたっぷり空気を含んでいることが要因だろう。よく言えば「ふわふわ食感」、悪く言えば「スカスカ」。

カロリーを気にしてるけど甘いアイスを食べたい人、昔ながらのチープなソフトクリーム風アイスを安価に食べたい人は購入を検討してもいいかも。一方、そういった特殊な事情がない限り価値を見出すのは難しい…そんな商品。

そんな味わいソフトに他のパーソナルアイスと同じ170円という値札を下げる森永乳業…面の皮が厚いわ。

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