ノアールの値上げ・ステルス値上げ情報

ノアールの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー ヤマザキビスケット株式会社
商品名 ノアール
内容量 16枚(8枚<83.2g>×2パック)
参考小売価格 220円(税別)
原材料 砂糖、小麦粉、ショートニング、加工油脂、ココアパウダー、乳糖、ぶどう糖果糖液糖、コーンスターチ、カカオマス、乳等を主要原料とする食品、食塩/膨脹剤、乳化剤(大豆由来)、香料
栄養成分
1パック(83.2g)
エネルギー 417kcal
たんぱく質 4.2g
脂質 19.1g
炭水化物 56.9g
食塩相当量 1.0g
発売日 2017年12月

価格・内容量推移
年月日 内容量 参考小売価格(税別)
2017年12月~ 18枚(190.8g) 220円
2020年10月~ 18枚(187.2g) 220円
2023年7月~ 16枚(166.4g) 220円

値上げ理由・建前
タイミング 公表内容
190.8g→187.2g クッキー模様を細かい模様にすることで食べた時の口どけが向上。配合の見直しとあわせてサクッとした食感を実現。またクッキーの厚みをアップさせたことで風味が増した。
187.2g→166.4g 近年、原材料価格、原油価格、物流費等の上昇は依然として著しく、企業経営に深刻かつ多大な影響を及ぼしており、品質を維持しながらコストアップを吸収することが限界に達したため。

参考サイト
公式サイト ヤマザキビスケット株式会社
2017年 190.8g 220円 おためし新商品ナビ
2020年 187.2gに実質値上げ ヤマザキビスケット ニュースリリース
2023年 166.4gに実質値上げ ヤマザキビスケット ニュースリリース

ノアールの値上げ解説

真っ黒いココアクッキーで白いクリームをサンドした世界的菓子といえば…そう「オレオ」。そんなオレオをヤマザキビスケットがパクった商品が「ノアール」になります。もうほぼ完コピ…もとい“完パク”よ。

そんなオレオのパクリ商品ノアールが登場したのは2017年12月。1パック9枚(95.4g)×2パックの計18枚(190.8g)で、価格は税別220円でした。

2020年のリニューアルでは特徴的なクッキーの模様変更などを施し「さらにおいしくなった」と主張するも、1パックあたりの重量はそれまでの95.4gから93.6gに減量するというステルス値上げ。

菓子メーカーなどがよくやる「美味しくなった詐欺」よね。もうほんとうんざり。

さらに2023年7月には原材料価格の高騰などを理由に1パックあたり1枚減らして8枚×2パックの計16枚入りに。重量的には20.8gの減量。2020年のリニューアル時点で1枚10.4gの計算になるから、商品に手は加えず単純に2枚減らしただけらしい。

さて、冒頭で「オレオのパクリ」と書いたが、それには深い理由がある。

ご存じの方も多いと思いますが、ヤマザキビスケットは2016年まで米モンデリーズ社とライセンス契約を結んでおり、「ヤマザキナビスコ」として長年にわたってリッツやオレオを製造・販売してきた歴史があります。

しかし、モンデリーズは日本においても自社で商品を販売したいと考えたらしく、結果2016年9月にヤマザキナビスコとのライセンス契約を解除。さらに「2017年11月30日まで類似品を販売してはならない」という取り決めが存在していたのです。

これによりヤマザキナビスコは「ヤマザキビスケット」に改称し、2016年9月から2017年11月末まで八角形のルヴァンやルヴァンクラシカルでブランドの周知を行ってきました。

そして取り決めが解除される2017年12月、ヤマザキビスケットの反撃が始まると。

かつてヤマザキが製造・販売していたリッツそっくりの「ルヴァンプライム」発売を筆頭に、「ルヴァンクラシカル」をリニューアルし、かつてのプレミアムクラッカーと同じ形状・規格とする。

さらにかつて自社が製造・販売していたオレオそっくりのノアール投入…

モンデリーズ・ジャパンがリッツやオレオを販売するようになってから製造が中国やインドネシアなど海外になり、味や食感が変わってしまった。

ヤマザキビスケットのルヴァンシリーズやノアールは”リッツやオレオのパクリ”ではなく、「日本人が長年慣れ親しんだリッツやオレオの本当の姿」を、長きにわたりリッツやオレオを製造してきたヤマザキが提供した結果ともいえる。

実際、2017年12月に発売したノアールの内容量1パック9枚(95.4g)×2パックの計190.8gというのは、ヤマザキナビスコ時代のオレオとまったく同じ内容量だし、原材料もほぼ一緒。

ヤマザキナビスコ時代のオレオとノアールの原材料・栄養成分

まあ、モンデリーズとヤマザキとの悶着を知らない人にとってはパクリ商品以外の何物でないだろうがな。

コスパ的に5枚×2パックのオレオはノアールに比べ割高、しかし3枚×8パックのオレオは若干ながらノアールより割安。つまり大して変わらん。

また、味や食感に関しては好みの問題もあり「どちらが美味しい」とは断言できないものの、日本企業による日本人に合わせた味ということで、ノアールの方が甘さ控えめでココア感強し。これこそ日本人が長年慣れ親しんだオレオと言っていい。

しかし小売店などでは現在中国産になってしまったオレオを目にする機会の方が圧倒的に多いんですよね。特売していることも多いオレオに対し、ノアールはちと高い。希望小売価格的には大差なくても、実勢価格はオレオの方が安い印象を受ける。

ルヴァンシリーズはモンデリーズ・ジャパンのリッツに対し健闘している一方、ノアールに関しては明らかにオレオの後塵を拝している。日本人として、またモンデリーズとのいざこざを知っている身としてはノアールに頑張ってほしいところだが…

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