チップスターLの値上げ・ステルス値上げ情報
メーカー | ヤマザキビスケット株式会社 |
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商品名 | チップスターL |
内容量 | 105g |
参考小売価格 | 280円(税別) |
原材料 (うすしお) |
ポテトフレーク(アメリカ製造またはドイツ製造またはその他)、植物油脂、食塩/乳化剤、調味料(アミノ酸) |
栄養成分 100g当たり |
エネルギー 525kcal たんぱく質 6.3g 脂質 29.3g 炭水化物 59.1g 食塩相当量 0.9g |
発売日 | 1976年1月 |
価格・内容量推移 | ||
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年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税別) |
1976年~ | 125g | 200円 |
~2000年8月 | 115g | 不明 |
2000年9月~ | 120g | 230円 |
2008年2月~ | 115g | 230円 |
2022年3月~ | 115g | 260円 |
2023年3月~ | 105g | 280円 |
値上げ理由・建前 | |
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タイミング | 公表内容 |
120g→115g | 2007年に小麦の政府売渡価格が2度値上げされ、小麦粉価格の値上げが実施。また原油価格の高騰、油脂、乳製品、包装資材も値上げされ、企業努力のみでコストアップを吸収できない状況に。 |
230円→260円 | 近年の著しい原材料価格の上昇に加え、電気、ガスなどのエネルギーコストも上昇しており、製品の品質を維持しながらのコストアップ吸収が限界を超えた状況になったため。 |
115g→105g 260円→280円 |
近年、原材料価格の上昇は依然として著しく、主原料であるポテトフレーク・油脂類なども高騰。企業経営に深刻かつ多大な影響を及ぼしており、企業努力によるコスト吸収が限界に達したため。 |
参考サイト | |
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公式サイト | ヤマザキビスケット株式会社 |
1976年 125g 200円 | 歴史データ |
2000年 120g 230円 | 日本食糧新聞 |
2008年 115gに実質値上げ | ヤマザキナビスコ お知らせ |
2022年 260円に値上げ | ヤマザキビスケット ニュースリリース |
2023年 105g 280円に値上げ | ヤマザキビスケット ニュースリリース |
チップスターLの値上げ解説
日本初の成型ポテトチップスとして50年近い歴史を誇る、ヤマザキビスケットの「チップスター」。現在は小容量版「S」と大容量の「L」の2本立てですが、1976年の発売時は現在のLに相当するサイズしかなかった模様。
発売当時の内容量は125gで、価格は200円。
上図は1979年のパッケージで、125gという文字が見て取れます。カルビーのポテトチップスが当時95g入り120円だったことを考えると、現在と同じように普通のポテトチップスより若干高い価格設定だったらしい。
そこから内容量や価格がどういう経緯をたどったかは不明ながら、2000年時点で内容量は115gになっており、2000年9月に行われたリニューアルで120gに増量し、価格は230円だったことが確認できます。
ただ、チップスターは2000年に値上げしているとのことなので、増量と同時に値上げした可能性が高いものの、230円以前がいくらだったのかはまでは確認できませんでした。発売当時のまま200円だったのか、220円くらいになっていたのか…
2008年になると原材料価格の高騰などを理由に115gへとステルス値上げ。
その後2016年にヤマザキナビスコからヤマザキビスケットへと移行しても内容量・価格は変化せず、14年にわたり115g・230円を維持するも、2022年3月に大幅な値上げを行い260円ほどに。
それから1年後となる2023年3月には105gに減量。
同時に出荷価格を値上げし参考小売価格が280円ほどになった可能性があるものの、チップスターはオープン価格ということもあり、実際に値上げが行われたかどうか確証は得られていない。もしかしたら内容量減だけだったのかも。
ネット通販などを見るに、税別280円ほどで売られているケースも散見される。2022年3月の値上げで一気に50円も値上げするとは考えづらいことから、2023年3月にも若干の値上げがあったと推測しています。このあたりは要調査だな。
「成形ポテトチップスといえば?」と問われれば、ほとんどの人は「チップスター」か「プリングルズ」と答えるでしょう。成形ポテトチップス市場ではこの2ブランドがシェアの大半を握っていますからね。
しかし2016年に巨人が動いたよ。
ポテトチップスで圧倒的シェアを誇るカルビー様が成形ポテトチップス市場に殴り込みをかけたのだ。その名も「ポテトチップスクリスプ」。ご存じの方も多いことでしょう。
ポテトチップスクリスプの発売に際し、カルビーの社長は「現在200億円規模の成型ポテトチップス市場において数年後には売上100億円、NO.1を目指す」と豪語していた。ポテトチップスシェアNO.1のプライドと自信もあったのだろう。
内容量は当時のチップスターと全く同じS:50g、L:115gながら、価格はチップスターSの110円に対しクリスプは98円、チップスターLの230円に対しクリスプLは218円と、チップスターの客を奪う気満々の価格設定。
ポテトチップスの王者であるカルビー様が、「ポテトチップス」の名を冠し、かつ馴染みのキャラクターまで引っ張り出し、ライバルになるであろうチップスターより安い価格設定にした…自信満々なのも頷ける。
で、結果どうなったか?
2023年には公式サイトから完全に消え去り、小売店の棚はもちろんネット通販からも姿を消した。カルビーのブランドをもってしてもチップスターとプリングルズの牙城は崩せなかったらしい。
公式サイト上においてポテトチップスの次に紹介されていたくらいだから、相当力が入っていたんだろうに…カルビーの黒歴史になりそうだな。
裏を返せば成型ポテトチップスNO.1のチップスターはそれだけ強いということ。だからこその強気の価格設定なんだろうね。
でもねぇ、しょせんは成型ポテトチップス。食べればそれなりに美味しいものの、“芋感”や食感は普通のポテトチップスには敵わないと個人的には考える。にもかかわらず値段は成型ポテトチップスの方が高い。
105gのチップスターLが218円とかで売られている横に、120~130g入った大袋サイズのポテトチップスが198円くらいで売られているんだから、多くの人はポテトチップスに手が伸びるだろう。
それでも成型ポテトチップスは一定の需要があり、その中でチップスターは一番売れている。好きな人は好きなんだねぇ。